JFAアカデミー福島

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2008年03月28日

日本到着

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 「ご苦労様でした。非常に良い遠征だった。まだまだできていないことも見つかったが全体的には自分達の力を良い意味で確認できたと思う。ただ、3試合のうち1試合しか勝ってないぞ。それは頭に入れておけ。良いサッカーをしたよね、よく頑張ったよね、で終わるならアカデミーを名乗る資格はない。ここにいるお前らが日本のサッカーを変えるなら、あいつらに勝たなくてはいけない。生活面でも、自分達で問題を解決する努力をしていたな。誰かに頼るのではなく。言葉や文化が違うにも関わらずそういう姿勢で生活できたことは評価されるべきだな。日本に帰ってきて、その姿勢をストップしてしまったら、この遠征の意味がなくなるぞ。日本では何でも簡単に手に入る。甘えが出るぞ。過度の緊張感は必要ないかもしれないが、お前らが戦ってきた場所、感覚を忘れるな。あいつらと自分の差を明確に理解すること。」須藤監督の言葉を胸に抱き、選手はようやく春休みを迎えた。
 
文:樋渡 群

2008年03月27日

フランス遠征12日目

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サクレ・クール寺院が建つモンマルトルの丘
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シャルル・ド・ゴール空港でチェックイン
 
 午前中は古い町並みが残るモンマルトル地区を散策し、似顔絵を高い額を突きつけて書こうとする絵描き連中を横に見て(スタッフの1人は10ユーロしかないよと予め値段を設定し描いてもらって、まったく似ていなかったので落胆していたが)、シャンゼリゼに移動して買い物を楽しんだ(子どもに購入できるような商品はあまりなかったが)。あっという間にこの空港に戻ってきた。フランスでまだ挑戦し続けたい、と何人かの選手がもらしたのを小耳に挟みつつ、荷物を預けた。
 
文:樋渡 群

2008年03月26日

フランス遠征11日目

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デュソー氏に連れられフランス代表のトレーニングを見つめる。まったく同じシーンをcanal+のDVDで見た。まだベナファやディアビがINFにいる時である。同じようにフランス代表が合宿をしていて、彼らINFの生徒たちは昼食と自分たちの練習の合間に見学をしていた。デュソー氏が急いでグラウンドに降りようとする子ども達を制して見学場所を指定する。アカデミーの子ども達は誰一人我先に行こうとするものはいなかったが。
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シセ、メクセスと
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左から、フラミニ、マルダ、アネルカ、リベリ、ギャラス、マケレレ、エブラ
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左から、クペ、ランドロー、GKコーチ ブルーノ・マルティニ
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左から、ドメニク、マンコフスキー
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試合前のミーティングでは、いつもどおり厳しく具体的に確認をする。とにかくポジショニングをしつこく確認する。中盤が前線にくっつかない。前線に人数をかけるから得点が取れるわけではない。攻撃の組み立てでも、守備のボール奪取でも中盤に人数を多く割く。中盤が前線にくっつきすぎて、ディフェンスからの組み立ての際に5トップになってしまいパスコースが少なくなるのを防がなくてはならない。前線の3人はすぐに高い位置からボールを奪いに行くのではなく、まずチーム全体でコンパクトブロックを形成し、相手に横パスを出させる。ディフェンスの背後をついてくるような縦パスは出させない。しっかりとボール保持者に寄せる。寄せる相手はサイドバックである場合が多い。前線の3人が一列に平行に並んで守備をしないように心がける。一本の縦パスで3人が突破されることがないように。攻撃においては、足元への要求とディフェンスの背後に要求する割合に関して後者を多くする。アカデミーの攻撃陣はとにかくスピードアップに課題がある。ボールをコントロールすると減速してしまい、相手においつかれる。まったく逆のことを行う必要がある。ディフェンスの背後を突くランニングを15回繰り返せば、相手が1回はついてこられないときが来る。それを活かす。ディフェンスラインは中盤との距離を開けすぎないこと。ロングボールに関しては常に注意深く、一人が競ったらもう一人はカヴァーリング。サイドバックの対応も同じ。縦にスピードに乗らせてはならない。逆サイドで展開されているときこそ、スライドとカヴァーリングを。スライドは早すぎてはいけない。逆サイドから上がるプレーヤーもケアしながら。
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日本フットボール史に残るであろう歴史的一戦をむかえた。フランス国立フットボール学院 対 JFAアカデミー福島。どちらも育成方法は同じであるが、文化、伝統、歴史など育ってきた背景が異なる。
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試合開始5分はアカデミーが思いのほかボールを回しリズムをつくる。しかし、一度ボールを失うと、奪い返すのは並大抵ではない。無意識に体得している組織力とトレーニングで体得したそれ、ハイレベルなリーグ戦でそれを活用し続けている習慣が大きな大きな差となり、アカデミーの組織を蝕んでいく。3人、4人とボールを回しスピードアップする技術は日本で体感したことのないものであった。闘っている選手達は、ボールを奪えるときが来るのだろうかと錯覚を起こしたに違いない。
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そうはいっても、相手もミスは起こす。それはアカデミーの組織守備が機能している証拠でもある。奪ったあとは、爆発的にしかけていく。相手が攻め込んでいる状況なので、ディフェンスの背後は大きなスペースが空いている。ただし、そういった攻撃は個への比重が高くなり、INFの最後の壁を越えることはできない。
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ハーフタイムのミーティング。少しでもボール保持者に寄せるのが遅れると失点につながる。それをハイレベルに痛感した前半だった。20m強のミドルシュートを見事に決められたのだった。デュソー氏も闘っている。ジーコがワールドカップでブラジルと対戦したように。自分のフットボール哲学が国を超えて伝わり浸透することを証明しようとチャレンジしている。フットボールの本質は不変で普遍であると。フランスもアルゼンチンもどの強豪国も根底に持っているものを。69歳のチャレンジは既に日本フットボール史に大きな影響を及ぼしている。私はデュソー氏の通訳であるが、日本フットボールの歴史を背負った少年達がINFという巨人に対して一歩も引かずに立ち向かっている姿を見て、一人の歴史の証人となっていることも確認した。フットボールが日本に伝わってから現在に至るまでの先人の努力を引き継ぐ者として涙をためながらフランス語を日本語にして選手達を鼓舞し続けた。
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前半と大きく変わったのは、相手ゴール35m付近からスピードアップを仕掛ける回数が増えたことだ。裏への飛び出しがチャンスを創り始める。ディフェンスラインが高い集中力を見せ、中盤が縦横無尽に走り回り、パスコースをつくり続ける。チームブロックがある程度高い位置をキープできるようになり、フォワード陣が確信を持ってスプリントを繰り返す。ボールが通ればシュート、センタリング。惜しい場面が何度か続いたが、フリーでシュートをうてた場面は後半でゼロに等しかった。
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試合後、アカデミーのゲームを観戦していたベナファと写真を撮る。しかし、選手たちは負けた事が悔しくてそれどころではなかった。スーパースターとはわかっているが、自分たちの敗戦、位置を一生懸命消化しようとしている。
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クレールフォンテーヌを重い足取りで後にし、ホテルで夕食をとり、スタッド・ド・フランスでフランス対イングランドを観戦した。午前中に出会ったスーパースター達が国歌を聞く表情、態度は、あのクレールフォンテーヌでトレーニング後に引き上げてきたものとは少しも似ていなかった。リーグ戦、カップ戦の終盤、ユーロ2008の準備とはいえ、彼らは国を代表して闘う重みを無言で表現する。午前中は一緒に写真を撮るほどに近い存在であったが、グランドで闘う彼らを見てふと思う。そこまでたどり着くのは、どれだけの努力が必要であろうか。
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声援を送るフランスサポーター
 
文:樋渡 群

2008年03月25日

フランス遠征10日目

昨日は雨のパリ市内を観光したが、今度はパリから西へ15km程離れた街、ヴェルサイユを訪れた。フランス遠征前に子供達はルイ14世~ルイ16世へ至る歴史を調べ、発表していたので実際にそれを体感したのである。百聞は一見にしかず、は学習の肝である。
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ヴェルサイユ宮殿入口
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鏡の間
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ヴェルサイユを訪れて再認識させられるのは、子どもの団体の数である。幼稚園ですでに先生と保護者に連れられて美にふれる。写真の子供達は5,6歳で先生の話を落ち着いてじっくり聞くことはないが、観ている。フランス人に芸術や文化とは何かと尋ねると、国民と同様に国を形成するもの、と答える。
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ヴェルサイユからパリ市内に戻る。オペラ近くにあるレストランLes noces de Janetteにてエスカルゴを食す。五感をフルに活用してフランス文化に触れる。芸術・文化の中には食も入る。フランスは自給率が120%を超える農業国でもある。
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ノートルダム寺院にて
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おもしろいほどよくわかる山田さんの解説
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しっかりと文化を堪能した後は、自分たちの力でホテルまで帰る。アカデミーのフィロゾフィーを体現するためには受動的に情報を収集するだけではいけない。自分が得た情報を能動的に積極的に活用する態度が必要である。そういった行動をとると、目的を果たすために様々な困難(あえて失敗とは書かない)に遭遇する。例えばパリのメトロの場合は、ドアを自分で開ける車種もあり、ぼうっとしていると降りたい駅を過ぎてしまうこともある。サンラザール駅から子ども達と別れた。
 
文:樋渡 群

2008年03月24日

フランス遠征9日目

午前中トレーニングを済ませ、パリ市内へ移動した。久しぶりの日本食にありつけて子ども達はずいぶんとリラックスできたようである。その後、セーヌ河を遊覧し、トロカデロからエッフェル塔を眺め、ホテルにチェックイン。カードキーを部屋に忘れてしまって、部屋を空けてもらいたい選手がドアをノックしてきた。「群さん、カードキーを部屋に置いたままドアを閉めてしまいました。」「よしわかった。受付には一緒に行くが、お前たちが自分で解決してみろ。今まで習った英語、フランス語を駆使して。どうしてもだめな時はおれが後ろにいてやるから心配するな。チャレンジしてみろ。」子どもはまずしっかり考えて、意を決して受付へ。「I’m sorry, card in my room」英語のフレーズは文法も何もなっていなかったが、新しいカードキーを手に入れることができた。つまり、通じたのである。小さな出来事であるが、海外で闘うための準備としては非常に大切な成功体験であったにちがいない。
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文:樋渡 群

2008年03月23日

フランス遠征8日目

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宿舎の日の出
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街の中心部
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チーズ、乳製品売り場
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魚介類売り場
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フランス遠征2試合目。会場に着くと待っていたのは、質素で小ぢんまりとしたロッカールーム。アカデミーとは全てが違う。
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同じ年齢とは思えない体格に選手はとまどいを隠せない。
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ゲームは開始早々にアカデミーがボールを支配してリズムを作る。相手もそこまでプレッシャーは早くないし中盤でよくボールが動いている。ところが、一瞬の判断の遅さ、特にコントロールからパスまでを躊躇し奪われると、シュートまで直結してしまう。前半は相手が6本枠に飛んだのに対し、アカデミーは1本。空中戦の競り合いも1度しか勝てなかった。攻守における競り合いで勝つチームがゲームを制するというが、その点ではアカデミーは完全に負けていた。0-0ではあるが、後半は、フォワードがディフェンスラインの裏へ積極的に飛び出すことでシュートチャンスが格段に増えた。センタリングの多くなり、動きながらマークを外し1点をもぎとった。ディフェンスラインが前回と同様非常に注意深く集中していて、押し込まれる場面もあるが簡単に打たせることはなかった。中盤も攻守に渡りバランスが良く、動き続けていた。
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サントルフォルマシオン・ドゥ・パリのみんなと
 
文:樋渡 群

2008年03月22日

フランス遠征7日目

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 明日はフランス遠征における2試合目ということで、朝はゆっくりと時間を過ごした。選手は音楽を聴いたり、テレビを観たり、リラックス。これまで午前・午後とトレーニングが続いていたので疲労回復には必要不可欠な時間であった。午後は軽めのトレーニングで終了した。
 
文:樋渡 群

2008年03月21日

フランス遠征6日目

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 センタリングからのシュートトレーニングでデュソー氏からボールを浮かさないでシュートをうつアドバイスが飛ぶ。早く入りすぎずに、ボールを正面でとらえることができるよう、しっかりためて、爆発的スピードでセンタリングに合わせる。ボールをとらえる時は、上半身をゴール方向へしっかり倒し、振り足を蹴った後すぐに地面につける。振り足がボールを蹴った瞬間にぴたっと止まるとボールが浮いてしまう。ゲームにおいてのアドバイス。とにかく、足を止めてはいけない。フットボールは90%ボールに触れていない、10%がパス、ドリブル、シュートなどである。90%の動きには、攻撃においては「マークを外す」「スペースを創る、使う」「ディフェンスラインの裏スペースへ走り込む」などがあり、守備では「ボール保持者に素早く寄せる」「カヴァーリング」「パスコースを消す」「ブロックを形成するために戻る」などがある。デュソー氏は言う、「90%の努力を怠る者は決して成功しない」。
 
 生活面に触れておこう。子ども達は素晴らしくイニシアティヴを取っている。寮生活で自分のことは自分でやる習慣がついているせいもあるが、ここ外国では意外にそれは難しい。人にものを頼む瞬間には違う言葉、思考回路に否応なく変換されるからである。普通はアテンドや通訳に頼むほうが簡単である。ちょっとしたことであるが、トイレの場所、食事会場で足りないものを自ら聞くという行為は「積極的思考と行動」の産物であり、リーダーとして必要不可欠な要素である。フィロソフィーが息づいている瞬間である。中学2年生でこのことが海外で当たり前のようにできればどこでもポジティブに生活していくことができるはずである。
 
文:樋渡 群

2008年03月20日

フランス遠征5日目

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クレールフォンテーヌで午前中トレーニングを行い、INFスタッフと昼食を取った。前日のゲームにおいて、彼らの意見が一致したのは、アカデミーの方がパリ選抜よりも内容が良かった、ただ足りないのは最後のフォワード、という点であった。身長があり、スピードがあって、ドリブルもできて、ターンも素早い、といったアンリやアネルカが必要であると。午後からは次なる合宿所。ヴィルクレン市にあるASPTTというスポーツ施設にやってきた。
 
文:樋渡 群

2008年03月19日

フランス遠征4日目

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プラティニピッチ。その当時世界で最も偉大なプレーヤーと言われたミッシェル・プラティニ。その名は1993年生まれの子供たちにも浸透している。オフィスの正面には、クレールフォンテーヌ創設に尽力したフェルナン・サストル氏の胸像が立っている。
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昼食前、フランス代表の宿泊棟「シャトー」を見学。選手スタッフが集まって食事をするフロアには大テーブルが置いてあり、選手が全員向かい合えるようになっている。エメ・ジャッケが取り入れた習慣が今も続いている。
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ロッカールームでのミーティングは14時45分から始まった。フランス遠征における1試合目。フットボールは守備から始まるという原則を何度も何度も確認。フォワードが高い位置から奪いに行って簡単に数的不利を創られるのではなく、ブロックをすばやくコンパクトに形成する。危険なゾーンに素早く戻る。パスコースを予測して素早く寄せる。相手がコントロールしてから寄せるのではない。一人が寄せたら他はカヴァーリング。ロングパスに対する注意深さ。
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イルドパリ地方選抜チームとの対戦。日本で言うと関東選抜のようなもの。試合開始からスピード感の違いに少々戸惑う。百聞は一見に如かずというが、コントロールからパスに時間をかけることができない。常に動き続けパスコースを作らねば、ボールを組織で保持することは不可能である。ただし、守備はかなり集中力が高く、相手がフリーで簡単にうてる状況をほとんど創らせなかった。試合が進むにつれて、攻撃陣のボール支配率が上がり、リズムよくボールが動き始めたが、相手を決定的に脅かすことはできなかった。最後の30mの所で相手を恐怖に陥れる、これはアカデミーだけの課題ではないかもしれない。30人程度押し掛けてきたプロクラブのスカウト陣は負けたにもかかわらずアカデミーのフットボールに非常にポジティヴな反応を示していた。クロード・デュソー氏の盟友アンドレ・メレル氏、フランシスコ・フィリオ氏は我々のベンチサイドにいて、良い展開を見せるごとにこそっとデュソー氏に拍手を向けていた。デュソー氏はゲームのコーチングに専念し気づいてはいなかったが。
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文:樋渡 群

2008年03月18日

フランス遠征3日目

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木々の隙間から顔を出す朝日
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散歩出発
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代表宿泊棟 通称「シャトー(お城)」
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朝から柔らかい光がクレールフォンテーヌを包み、自然の時間にわれわれ人間が溶け込んでいく。散歩の後にレストランで飲む一杯のカフェ。身体がゆっくりと温まり一日がスタートする。
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午前の練習は屋根付き人工芝グラウンド。
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デュソー氏曰く、「アカデミーに限らず日本のサッカーの問題は中盤での組み立てに我慢が足りないこと。中盤がすぐにフォワードラインまで攻め上がるあまり、ディフェンスラインとフォワードラインの間のスペースが大きく空いてしまう。ディフェンスがボールを持った時には中盤にパスコースがないのでディフェンス同士でボールを回すかロングキックになってしまい、ボールを失う。フォワードは一列になってボールを奪いに行くので縦パス一本で危険な状況となる」
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昼食後にクレールフォンテーヌのスポーツドクター、フランク・ル・ガル氏とディスカッション。メディカルセンターも案内していただいた。オスグットや分離症などのプロトコルや復帰方法などについて確認。
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午後のトレーニングも屋根付き人工芝グラウンドにて。デュソー氏のはからいで、INF2年生と合同トレーニングを行った。ゲナージュ(体幹)とヘディングを組み合わせたエクササイズとハーフコートゲームを行った。アカデミーの選手達には通訳はほとんど必要ない。よく観察し理解して集中してコーチの指示を実行していた。
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ハーフコートゲームでは如実にレベルの差が表れた。INF2年生はまだチームとしては活動していないが、各自が地元のクラブで毎週土曜日か日曜日のどちらかリーグ戦において非常に厳しい戦いを定期的に続けている。攻守の切り替えの早さ、組織プレーのエスプリが十分しみこんでいる。アカデミーは、確かに良いトレーニングを積んでいるが、毎週毎試合厳しい戦いを強いられているわけではないので、フットボールの戦い方を十分に学習できていない。ボールをチームで保持している時、失った時のポジショニングが不正確で非効率的。ハイレベルにおけるフットボールの習慣に差があった。
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夕食後、GKの池村、須永コーチがINF GKチームミーティングに参加した。INF1年生~3年生と女子が合同で行う。各自が記入する分析シートの提出、そして学習ノート、計画表、スケジュール帳などをラビオ氏と確認する。決められた提出物は学校の宿題で忙しかろうが、自分で時間をみつけて生活をオーガナイズし、完璧に仕上げなければならない。ラビオ氏は「あとでやる、は卑怯者のすること。部屋の片づけも同じ。目の前が散らかっていてほんの2分で作業を終えることができるのに、それをやらず後に回すことは許されないぞ。」と厳しく要求。そうは言っても、ミーティングの最後には今月の誕生日のキーパーをジュースとケーキでお祝いした。ケーキは祝ってもらう者が用意し、仲間に配る。
 
文:樋渡 群

2008年03月17日

フランス遠征2日目

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 クレールフォンテーヌは大自然に囲まれているため空気が澄んでいる。特に朝は天然芝に朝露が付き、青々としている。リヨンのアテム・ベナファを代表とするINF2002年卒業生を追い続けたドキュメンタリー(日本ではまだ放映されていない)を子ども達は思い出し、「ここで彼らはサインを求めて奔走していたな」と同じ場所を歩きながら感慨にふける。
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 散歩後の朝食。パン、シリアル、ハム、チーズ、フルーツ、コーヒー、ミルクを各自チョイスする。子ども達はあまりのパンのおいしさに「贅沢」感すら覚えたようだ。確かに、フランスでパンを食べると他の国ではもう食べることができない、というのはよく聞く。
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 久しぶりのデュソー氏のトレーニング。子ども達は待ってました、とばかりにボールを蹴り、追いかける。時差で身体は重そうである。コントロールからパスまでを早く。Less Time,Less Spaceの現代サッカーでは必要なテクニックである。左足でコントロールして、右足を一度地面につけ、そして左足でパスをする。3対2のトレーニングでは、フォワードが早くから前線のスペースをつぶしてしまい、爆発的スピードを使ってシュートまで行けない。前に急いではりついてしまうと、立ち止まった状態でボールを受けてしまう。そうなると相手ディフェンダーは簡単にフォワードのシュートコースに身体を入れることができる。
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 午後のトレーニング。1対1の仕掛けにサポートがついている。目的はスピードにのったしかけで、相手ディフェンダーを引き付ける。ところが、サポートも一人いるのでディフェンダーにはドリブルで抜いてくるのかパスを出すのか迷う状況。サポートも爆発的スピードで前のスペースを十分に活用し素早くシュートに結びつけなくてはならない。サポートをするプレーヤーがドリブルをしかけるボールホルダーと並行にポジションを取ってしまうと、止まった状態でボールを受けてしまうのでディフェンダーが寄せる時間ができてしまう。
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 アカデミーの練習後、13歳を教えているアンドレ・メレル氏を訪ねた。人懐っこい笑顔で握手と抱擁。リフティングから様々なコントロールをトレーニングしている最中で頻繁にデモンストレーションを行っていた。ボールが地面に着く瞬間に方向を変えつつコントロールするテクニックでメレル氏は「ボールを地面にこすりつけるようなイメージを」とアドバイス。最後のゲームでは、スピードアップするタイミング、サポートのポジショニング、攻守の切り替えなどを選手に細かくアドバイス。指示が止むことはなかった。
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 池村がINFのGKトレーニングに参加し、フランク・ラビオ氏(オリンピック代表GKコーチ)の指導を受けた。「あの雰囲気はすごい。ピリピリしていて一瞬でも集中力をとぎらせてはいけない。壁打ちにしても正確に何本も同じ所へボールが当たる。みんなのレベルが高い」と興奮気味に貴重な体験を振り返った。
 
文:樋渡 群

2008年03月16日

フランス遠征1日目

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 モンテギュー国際大会を闘う日本代表U-16と偶然フライトが同じになりお互いの健闘を称え合う。アカデミーの生徒が憧れではなく、目標にしている場所でもある。
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 シャルルドゴール空港に着くとデュソー夫妻が出迎えてくれた。相変わらず愛情に溢れた雰囲気で我々を包んでくれる。
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 夕食はさっそくクレールフォンテーヌのレストランで。移動の疲れと空腹でほとんど無言でたいらげた。デュソー氏はゆっくりと選手一人一人の表情、しぐさを観察。
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 食後、この合宿をオーガナイズしていただいたエミトラベルの茂木氏からクレールフォンテーヌの概要と使い方などを聞く。茂木氏は1998年フランスワールドカップより日本サッカー協会に尽力しており絶大な信頼を得ている。また2002年ワールドカップではトルシエ監督をサポートした。
 
文:樋渡 群

2008年03月12日

新スタッフ 山本コーチ歓迎会

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 山本コーチはコミュニケーションスキル、アシスタントコーチを担当する。ドイツ留学経験があり世界と日本の差を体感レベルで把握している数少ない指導者のうちの1人である。子ども達にもすぐに受け入れられ、指導者としての愛情を感じる。優秀な指導者がいてこそ子どももハイレベルに行くことができる。
 
文:樋渡 群

2008年03月11日

フィジカル測定

 年に2回実施(シーズン最初と最後)するフィジカル測定。種目は垂直飛び、40m走、VAMEVALテスト。データを実際に見ることで明らかとなる。中学校2年生が平均17,2km/h。彼らの入学当初の平均速度は15,8km/hである。どれだけ伸びているか一目瞭然である。持久力が非常に向上している。クレールフォンテーヌのデータと比較してみても遜色ない。JFAアカデミー福島が目指すものは、テクニックを向上させつつ持久力を上げる。素走りはしない。ボールに触り続け、とにかく運動量を求める。ただし、やみくもにボールを持って走らせているわけではない。質や正確性を求め、効果的なプレーかどうかも考えさせながらである。
 
文:樋渡 群
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