フランス遠征4日目
プラティニピッチ。その当時世界で最も偉大なプレーヤーと言われたミッシェル・プラティニ。その名は1993年生まれの子供たちにも浸透している。オフィスの正面には、クレールフォンテーヌ創設に尽力したフェルナン・サストル氏の胸像が立っている。

昼食前、フランス代表の宿泊棟「シャトー」を見学。選手スタッフが集まって食事をするフロアには大テーブルが置いてあり、選手が全員向かい合えるようになっている。エメ・ジャッケが取り入れた習慣が今も続いている。

ロッカールームでのミーティングは14時45分から始まった。フランス遠征における1試合目。フットボールは守備から始まるという原則を何度も何度も確認。フォワードが高い位置から奪いに行って簡単に数的不利を創られるのではなく、ブロックをすばやくコンパクトに形成する。危険なゾーンに素早く戻る。パスコースを予測して素早く寄せる。相手がコントロールしてから寄せるのではない。一人が寄せたら他はカヴァーリング。ロングパスに対する注意深さ。




イルドパリ地方選抜チームとの対戦。日本で言うと関東選抜のようなもの。試合開始からスピード感の違いに少々戸惑う。百聞は一見に如かずというが、コントロールからパスに時間をかけることができない。常に動き続けパスコースを作らねば、ボールを組織で保持することは不可能である。ただし、守備はかなり集中力が高く、相手がフリーで簡単にうてる状況をほとんど創らせなかった。試合が進むにつれて、攻撃陣のボール支配率が上がり、リズムよくボールが動き始めたが、相手を決定的に脅かすことはできなかった。最後の30mの所で相手を恐怖に陥れる、これはアカデミーだけの課題ではないかもしれない。30人程度押し掛けてきたプロクラブのスカウト陣は負けたにもかかわらずアカデミーのフットボールに非常にポジティヴな反応を示していた。クロード・デュソー氏の盟友アンドレ・メレル氏、フランシスコ・フィリオ氏は我々のベンチサイドにいて、良い展開を見せるごとにこそっとデュソー氏に拍手を向けていた。デュソー氏はゲームのコーチングに専念し気づいてはいなかったが。

文:樋渡 群




