JFAアカデミー福島

Diary ダイアリー いきいきとしたレポートをお届け。

cms.diary

« 2007年03月 | 最新情報 | 2007年05月 »

2007年04月27日

4月27日トレーニング(13歳)

情報を与える
b070427.JPG
 パスを成立させるためには、出し手と受け手のシンクロナイゼーションが必要不可欠である。今回は受け手にフォーカスする。ボールを足元でもらいたい時、突っ立ったまま、もしくは、ゆっくりのランニングで良いだろうか。答えは明確にNOである。ボールを失わないためのプレーのひとつにパスがあることを考えれば、そういったプレーはインターセプトの対象になり、ボールを失う可能性を高くする。さて、情報の与え方であるが、いったいどうすれば良いのだろう?声を出す?手などの身振りで示す?実はどちらもNOである。デュソー氏曰く、「相手に出しどころがわかり、奪ってください、と言っているようなもの」である。つまり、無言で身振りも使わず、味方にボールを要求するのである。答えは、「ランニングスピードの変化と方向」である。ここまで言えば、もうおわかりだろう。例えば、2,3mの爆発的スピードでパートナーの方へ走れば、それが足元へのパスを要求することになるのである。
 
文:樋渡 群

2007年04月26日

4月26日トレーニング(13歳)

コントロール、シュート
b070426.JPG
 一見、シンプルなシュートトレーニングなのだが、デュソー氏の一言一言を聞き逃してはならない。「まずは、ボール運びから始まるんだ!そこでボールを押し出すことがフリーランニングを開始するプレーヤーへの合図になる。マーカーを置いてある意味がわかるか?そこにちょうどパスを出すためだ。もうひとつあるぞ。フリーランニングをしている者が爆発的スピードを弱めず、動きながらコントロールができるようにするためだ。パスはインサイドで強く!ディフェンダーにインターセプトされてしまうぞ!10歳のパスを卒業しろ!フリーランニングは、早すぎたらどうなる?止まってボールを受けることになるぞ。止まったら、相手が簡単にインターセプトするぞ。コントロールは前へ押し出せ。特にパスを出す前、シュートをうつ前に。コントロールはインサイドで!一番確実な場所でコントロールをするんだ!」こんなシンプルなトレーニングだが、要求は細かく、数多い。しかも、エクササイズ中この要求はほぼノンストップである。
 
文:樋渡 群

2007年04月25日

4月25日トレーニング

ディフェンダーから離れる動き
b070425.JPG
 「マークをはずす動きはアートなんだよ。急いでボールをもらいに行き過ぎてはだめだ。相手に悟られないように、静かな時間を創って、味方が自分に向かってボール運びを開始した瞬間、こういう動きをしてもらいにいくんだ。ほら。おれはお前よりも脚が遅いにもかかわらず、2mも相手から離れることができたぞ。」自らデモンストレーションをして子ども達に説明する。デュソー氏が子どもを背にして、膝を軽く沈める。サムライが敵と対峙して一瞬の隙を狙っている。静寂がおとずれる。万物の動きが止まった瞬間、そのサムライのみが爆発的な動きで2m子どもから離れた。
 
文:樋渡 群

2007年04月24日

4月24日トレーニング(13歳)

ボール運び(ボールタッチ、コントロール)
b070424-01.jpg
 デュソー氏が中学1年生を指導するのは今回が初めて。しかし、島田コーチによるトレーニングを2週間行っているのでトレーニング内容に関する戸惑いは去年に比べるとほとんどない。ここで、「ボール運び」と「ドリブル」の違いを明確にしておきたい。どちらも個人でボールを扱うプレーではあるが、相手がいない状態でボールを動かし、次のプレーに移る準備をしているのが「ボール運び」で、次のプレーをより有利に行うために相手を少なくとも1人突破するプレーが「ドリブル」である。このトレーニングは、ボール運び。ボールを押し出して、少しジョギングではない。ボールに触った後、何度もステップを踏まない。各ステップでボールに触れるのである。リズムは、「チョン、チョン、チョン」という感じである。できるだけ、ボールを見ないで行えるようにする。
 
ゲーム(3対3+GKはジョーカー)
b070424-02.jpg
 フリーズは何度も入る。「ストップと言ったら、動かないでくれよ。君達にパスコースが増えるためのヒントを教えるからな。ここにボールがあるな。他の人はどのポジションをとったらいいかな?」まずは、子ども達に考えさせて、子ども達が自ら修正する。最初に修正するプレーヤーは1人だが、デュソー氏が他の人間はどうするんだ、という無言のジェスチャーをするうちに、複数の人間がボールホルダーに対して、多くのパスコースができるようにポジションを修正する。「ほらな、できたぞ。じゃあ、ここにパスが出たら?」と違う人間にパスを出してみる。「どこに動けばいいかな?」徐々に流動的にポジション移動ができ始めたところで、「よし、そのままいこう!」「よく、聞いてくれよ!フットボールではパスが一番大事だな?それはみんなわかっている。ただし、もっと大切なことがあるぞ。パスを出した後の動きだ。出した後、できるだけフリーでもらえる場所に移動してみろ。」
 
パス、コントロールの方向
b070424-03.jpg
 出したら、走る。しかし、今度はこれに、ボールを受ける前にフリープレーヤーを見つけて、パスを出したい方向へコントロールすることが要求される。パスの強さについても強調される。インターセプトされないためにも、パスを強く蹴る習慣は身につけなければならない。
 
コントロール、パスと要求のシンクロナイゼーション
b070424-04.jpg
 パスしたプレーヤーが厳しくプレッシャーに来る。「いいか、ディフェンスをしろ、と言ったら、ディフェンスのふりをするんじゃないぞ!取りに行け!奪いに行け!簡単にパスを出させるんじゃない!」デュソー氏のトレーニングには、「軽いプレッシャーの守備」という言葉は存在しない。さて、厳しく寄せてくるディフェンスをワンタッチ目のコントロールで素早く右か左へかわし(決してディフェンスの正面にボールを置かない)、次のパートナーへ向けてパス。コントロールの方向によって、パートナーはボールを要求するポジションを素早く決める。パスは正確に。
 
パスとランニングのシンクロナイゼーション
b070424-05.jpg
 サイドの前のスペースでボールを受けるプレーヤーは、楔にボールが入り、コントロールした瞬間、スタートの準備を始める。楔でボールを受けたプレーヤーは、展開されるサイドとは逆へ一旦コントロールする。それは、ディフェンダーを遠ざけるために。そして、展開されるサイドへリターンパス。リターンパスが入り、コントロールした瞬間がサイドプレーヤーがスピードアップする時。このタイミングこそが、組織でボールをキープし、攻めるときに必要不可欠になる。
 
ゲーム
b070424-06.jpg
 「フットボールプレーヤーは、攻撃だけできてもだめだぞ。現代フットボールは守備もできるプレーヤーを要求しているぞ。奪われた瞬間、全員が守備に戻ってくること。より守備が厳しければ、攻撃側にとって難しくなるが、そのシチュエーションこそが攻撃にとって向上するためのよい環境となる。攻撃側が向上すれば、守備もより向上しなければならない。つまり、守備を厳しくすることによって、攻守どちらもうまくなるんだ!」テクニックの向上により、忘れがちになる「ボールを奪う姿勢と気持ち」を常に刺激する。
 
文:樋渡 群
 
<お知らせ>
2008年度入学生の申し込みについてはこちらをご確認ください。

2007年04月21日

4月21日トレーニング

ウォーミングアップ(タイプ:ゲーム前)
b070421-01.jpg
 ゲーム前に行うウォーミングアップと全く同じスタイル。5分ランニング、5分ストレッチ、5分パス交換、10分ゲーム、3分スピードアップ。選手に試合前に何をすべきか知ってもらうために、時にはこのようなウォーミングアップも行う。「試合前と同じ意識を持て!特に、スタートが遅い選手は自分の体を素早く目覚めさせる習慣をつけろ!」
 
スピード
b070421-02.JPG
 トータルで300mを超えないように設定する。今回は、10m×6本(2人で競争)、10m×4本(お互い向かい合って、どちらかが先にスタート、一方は素早く追いかける)、20m×6本(ハードルあり)、25m×3本(全員で一列に並んで)。トータルで295m。スピードトレーニングは回復時間が必要不可欠。1回のランニングにかかった時間に20をかけたものが回復時間。例えば、10mに2秒かかった場合は、40秒の回復時間が必要になる。もうひとつの注意事項として、最後まで手を抜かないこと。ただし、笑顔を絶やさず。
 
ゲーム
b070421-03.jpg
 最後は25分×2本のハーフコートゲーム。フリーズの場面はほとんどない。ただし、攻守の切り替えの場面で、いつまでも前線に残って、一本の縦パスで置き去りにされてしまう選手達に対しては厳しい言葉が飛ぶ。もちろん、ずるずると引いて守ろうとするディフェンスラインにも檄が飛ぶ。

文:樋渡 群

2007年04月20日

4月20日 トレーニング

シュート 1
b070420-01.jpg
 「ディフェンダーめがけてボールをコントロールするな!ディフェンダーを左右どちからかに動かせ!ディフェンダーのバランスを崩せ!ディフェンダーが前にいても怖がることなくシュートしろ!ドリブルを要求していないぞ!ドリブルではないぞ!ディフェンダーめがけてつっかけるな!」最初のコントロールで、ディフェンダーが右か左に動かざるを得ない状況を創る。ドリブルで完全に相手を抜き去り、突破するのではなく、シュートコースができた瞬間にうつ。相手の足に当たって、入るかもしれないし、コーナーになるかもしれない。ディフェンダーを動かして、不利なポジションを取らせること、シュートをうってくる相手だと思わせることが重要である。もし、ドリブルを仕掛けてくるとわかれば、ディフェンダーは守りやすい。
 
シュート 2
b070420-02.jpg
 ボールを運んで相手をひきつけて、サイドをかけあがる仲間にパスを出す。決してドリブル突破のトレーニングではない。相手をひきつける時は、素早くボールを運ぶ。それによって、ディフェンダーがボール保持者に素早く寄せざるを得ない状況を創る。ここで、より重要なのはサイドのプレーヤー(シューター)のスタートタイミングとランニングスピード。もし、早くスタートしてしまえば、オフサイドになるか、止まってボールをコントロールすることになり、相手に追いつかれる可能性が高くなる。遅すぎれば、相手が簡単にコースを防ぐポジションを取ることができる。つまり、前にあいているスペースに爆発的スピードで入り込み、止まることなくボールをゴールへ向けてコントロールし、シュートすることが要求される。もちろん、パスを出すプレーヤーのパスの強さ、タイミングは重要である。これは、パスとランニングのシンクロナイゼーションが必要不可欠である。
 
文:樋渡 群

2007年04月19日

4月19日トレーニング

パス交換
b070419-01.jpg
 「ボールが止まった瞬間に、プレーヤーが止まった瞬間に、ボールは失われる。」デュソー氏が口をすっぱくして言う。写真を見て頂ければ一目瞭然であるが、出し手も受け手も動いている。ボールに素早く寄る。決してジョギングのスピードではない。2,3mを爆発的なスピードで、ボールを迎えに行き、ボールが自分の方へ向かってくる間に首を振って周りを見て、次にパスを出すパートナーの方向へ素早くコントロール。ワンタッチ目で軽くコントロールし、2タッチ目で完全にプレーしやすい場所にボールを置く。ワンタッチ目とツータッチ目の時間はかなり短い。コントロールでは、ボールが動いている状態をキープし、決してボールの動きをピタッと止めない。2秒以内にボールを持っていないパートナーへパスをする。パスはインサイドでできるだけ強いボールを蹴る。
 
ポゼッション
b070419-02.jpg
 シンプルに広がりを持ってパスを回すことが重要である。プレーヤーは得てして、ボール保持者に近づきすぎてしまい、相手ディフェンダーも引き寄せて、結局ボールを失う機会を自ら創り出してしまう。ボールを失わないためには、広く、素早く、シンプルにボールを回すこと。加えて、パスコースを数多く創るために、出した後にフリースペースへ走ること。短い距離を走ったほうが良いのか、長い距離を走ったほうが良いのか判断する。攻撃側プレーヤーが止まった瞬間に相手ディフェンダーにとって有利になる。相手のマークから常に離れることを心がける。それは、一瞬の動きである場合が多い。
 
コントロール、パス
b070419-03.jpg
 パス交換のエクササイズでも述べたが、重要なのは、ボールをピタッと止まった状態でプレーしないこと。ボールは常に動かしておかなければならない。コントロールとは、ボールを失わないで次のプレーへ移るための準備である。ボールはコントロールするものであるが、止めるものではない。もし、ボールが完全に止まってしまったら、相手に奪われてしまう。プレーヤーの動きも止まってしまう。もしくは、プレーヤーの動きが止まって、ボールが止まってしまう。このエクササイズでは、浮き球をいかに正確に方向をつけたコントロールをして、素早く正確に味方にパスができるかが問われている。ボールが小さな正方形にちょうど落ちるように送られてくるので、スピードをつけてボールに寄り、バウンドするかしないかの所で、方向をつけたコントロール。間髪入れずに強いパスを出す。出したら、次のポジションへランニングする。この走るスピードも徐々に上げていく。
 
クロスと合わせ
b070419-04.jpg
 昨日に続いて、「クロスと合わせ」エクササイズであるが、今回はサイドの突破とクロスに選択肢を与えた。まず、スペースへパスを出すプレーヤーは少しドリブルをしてから、ボールを送る。これは、エクササイズの中で重要なもので、もし、いきなりパスを出してしまうと、ゲームのシチュエーションとしてリアリティがなくなってしまう。ボールをパスを出す方向へ運ぶと言うのは、パスをするための合図になる。つまり、そこがパスとフリーランニングとのシンクロナイゼーションのスタートなのだ。クロスを上げるプレーヤーは、ディフェンダーが厳しく寄せてくるので、確実に上げることができるかどうか判断する。もし、不可能であると思われた場合は、スペースにパスを送ったものへリターンすることができる。リターンを受けたものは、逆サイドへクロス。もしくは、再び、ドリブルで縦へ抜けてクロスを上げてもよい。ここでも、選択肢を与えて、「ボールを失わない」習慣を身につけさせている。クロスに合わせる者は、昨日と同様、クロスを上げるプレーヤーの足からボールが離れた瞬間に爆発的スピードで飛び込む。
 
ゲーム
b070419-05.jpg
 「昨日よりは攻撃が良く見えた。なぜだかわかるか?守備組織が昨日より良くなかったからだ。ディフェンスはずるずる引けと言ったか?フォワードはボールを失った瞬間どうする?4人も前に残って、仲間がやられているのを傍観しているのか?1人がボール保持者へ寄せたら、残りのものは何をしなければいけない?カヴァーリングと言う言葉を忘れたか?これは、2人だけで行うのか?ゲームは何人の人間が攻撃をしてくるのだ?フリーでボールをもらう準備ができているものにも邪魔をしなければならないのではないか?」デュソー氏はトレーニング後に選手達に諭すように語りかけた。
 
文:樋渡 群

2007年04月18日

4月18日トレーニング

パス交換
b070418-01.jpg
 4色に分けて、1色ずつ、20m×20mの正方形に入る。つまり、オレンジ、黄、青、グレーをつけたプレーヤーが1人ずつ入り全部で4人が正方形の中にいることになる。そのコートが4つある。動きながら手でパス。その後、足で。言われた色にパスを出す。例えば、「青」と言われたら、その瞬間に青をつけた選手へボールを渡す。それ以外は普通のパス交換である。次に、指定された色へパス。例えば、青→黄→グレー→オレンジ。ここで重要な要素は、より早く周りを見るということ。コントロールは次に出すパートナーへ向けて。コントロールした後に、ドリブルしながらパートナーを探すのではなく、すぐさまパスしなければならない。パスを出す時も、受ける時も常に動きながらであるが、ここでスピードの変化が要求される。ボールを受ける時は、一瞬のスピードアップで2m相手を置き去りにするイメージを持つ。その時、コントロールしたボールの動きが止まらないように。ボールも常に転がっている状態をつくりだす。ボールを要求する時は、相手にさとられないように、手や声ではなく、動き(方向と速度)で情報を出す。例えば、足元にボールが欲しい時は、爆発的スピードで寄ってくる、など。
 
3対1
b070418-02.jpg
 10m×10m。パスを出した選手は、その場所に留まらない。必ず違う場所へ移動する。それと同時にパートナーもポジションチェンジをする。出したら、動く。スタティックな3対1ではない。イメージとしては、仮想ディフェンダーが3人の背後にもいるのである。止まった瞬間に、ディフェンダーにインターセプトされてしまう。このトレーニングでよく起きる現象として、相手が正面にいるにもかかわらず、パートナーに出せると判断し、ディフェンダーの足めがけてパスをしてボールを失う。その場合は、パスをするふり(フェイントをかける)などをして、ボールを失わない工夫が必要である。守備側はきついかもしれないが、激しくボールを奪いに行く。守備側のプレッシャーが弱ければ、攻撃側のトレーニングにならない。ただし、勢いをつけすぎて簡単に飛び込んでかわされてしまうことも避ける。
 
ヘディング
b070418-03.jpg
 デュソー氏曰く、「得点の3分の1はヘディングからうまれる。つまり、ヘディングのトレーニングは必要不可欠である。決してクリアするためのトレーニングではなく、点を取るためのもの。つまり、2人組でドリルを行うときも、ロビングではなく、ライナーに近いボールを送ってあげることが必要である。我々はディフェンダーを養成しているわけではない。」
基本的には、両肩が必ず目標へ向いていること。ヘディングした後、地面を見ないこと。脚を前後に開き、膝のクッションを使うこと。しっかり胸を反って、ボールを叩きに行くこと、が挙げられる。ヘディングのトレーニングで一番難しいのは、ボールの軌道を判断すること。ボールがボールを出すプレーヤーの足から離れた瞬間に、ボールに寄るタイミングを計る。予測するのでは決してないことに注意しなければならない。まだボールが蹴られていないにもかかわらず、ずるずると前へ寄って行き、かぶってしまうことはよくある。ボールの軌道をしっかり判断して初めて落下地点へ急いでいくことができる。それから、できるだけ高い位置でジャンプしてボールをとらえることも必要である。
 
クロスからヘディングで合わせる
b070418-04.jpg
 ここでの問題は、上述した良いタイミングでのスタート。クロスに合わせやすいのは、少しマイナス気味に向かってくるボール。しかも、相手がいることを考えれば、動きながら。つまり、目の前にスペースを開けておいて、スピードに乗って(爆発的スピードで)そのスペースに入り、止まることなくボールをとらえることができるのが理想である。もちろん、クロスの質も重要であるが、クロスを上げる者に合わせるのがゴール前で待つフォワードの役割である。
 
ゲーム
 b070418-05.jpg
 FW、MF、DFの3ライン間の距離を近づけて、攻守に渡ってブロックを形成することを心がける。より多くのパスコースを創り、よりリスクを回避するためである。フォワードは、あまりにも高い位置からボールを奪いに行き、簡単にかわされるのではなく、まずはチームがブロックを形成できるように適切なポジションに戻り、パスコースを限定していく。1人がボール保持者に寄せたら、残りのものは、カバーリングに行く。攻撃側は、最初から深さを持ちすぎて、ブロックが間延びしないようにする。特に、GKからの組み立ての際には、ある程度戻ってきて、パスの距離をあまりにも長くならないようにする。全員がほぼ同じ距離を保って、パス交換しつつ、徐々にラインを上げて行き、ある瞬間に急激なスピードアップから相手を驚かせるのである。
 
*アカデミーでのコーチングについては、2006年4月19日のダイアリー参照
 
文:樋渡 群

2007年04月17日

4月17日トレーニング

b070417-01.jpg
VMA
 4月の春休みから帰って来て間もないことと、ボール以外にもフィジカルトレーニングが存在することを子ども達に知ってもらうためにVMAトレーニング(今回はVMAの70%)を行った。10分を②セット。セット間では、10分間のアクティヴレスト。2人組みでパス交換。さまざまなコントロールからパスを行う。このトレーニングを実施する際には、子ども達に自分のスピード(今回の場合はVMA70%)を体感させ、認識させることが重要となる。最後は10分間のストレッチ。
b070417-02.jpg
ワンツーから3人目(サイド)
 このエクササイズで最も難しいのは、サイドをスピードに乗って駆け上がる選手に、ちょうど良い強さのボールを送ること。なおかつ、その選手のスピードを見てコントロールなのかワンタッチなのか判断しなければならない。コントロールする際に「ボールを止めるな」とデュソー氏からコーチングが飛ぶのだが、それはボールの動きがなくなった時にディフェンスに奪われるからである。コントロールにおいても、ボールが転がっている状態を創りだすこと。自然とプレーヤーも常に動くことになる。「リターンパスから3人目までを早く!」という指示は、突破する時のリズムの変化を意味している。相手を“驚かす”ことが攻撃において重要で、急激な攻撃のスピードアップは相手に一瞬の遅れを取らせ、攻撃側に有利に働く。ワンツーの場面では、それを表現して「ポン!ポン!」という声が飛ぶ。
ボールをスペースで受けるサイドの選手は、パスを出した後、目の前のスペースへ100%以上のスピードで飛び込む。
b070417-03.jpg
7対7+GK
 ゲームの前に、シンプルなシチュエーショントレーニング(今回の場合は、ワンツーから3人目)を行うと選手がゲームの中でそれを表現しようとする。デュソー氏のトレーニングでは最後のゲームの前にはポゼッションゲームよりは、シチュエーショントレーニングが来ることが多い。しかも、シンプルなものである。ただし、その中にはパスとランニングのシンクロ、スピード(リズム)の変化、コントロールの方向、パスの強さなど相手を突破する時に不可欠な要素は盛り込まれている。果たして、ゲームでは、ワンツーでサイドを突破する展開が何度かみられた。守備に関しては、先週から意識付けているディフェンスのオーガナイズ。つまり、ボール保持者に寄せる者と、カバーリングする者との連携を指示する。ボールを失った瞬間に守備のために最適なポジションをすぐ取ること。特に、フォワードは攻撃が終わったら、歩いて攻められている様子を傍観していることが多い。そういった選手が前線に多ければ、守備をする時には不利となる。なおかつ、フォワードが非常に高い位置から単独で相手ディフェンダーにプレッシャーをかけることも多く、その時は「そんなに高い位置からディフェンスに行くな。まずは、チームブロックを形成しろ。全員が同じ距離を保て。フォワードが守備をする時は、全員が一列に並ぶな。縦パス一本で全員が突破されてしまうぞ!ボール保持者に一番近い一人が寄せて、残りはカバー!」と細かく指示を与える。かくして彼らの守備組織は向上するのだが、すぐに完成されるものではないので、ゆっくりと時間をかけて醸成させていく。
*トレーニングのオーガナイズ、目的はトップページの“トレーニング”参照。
 
文:樋渡 群

2007年04月15日

4級審判講習会

b070415.jpg
 いわきサッカー協会審判委員会から大井川氏を招いて、4級審判資格取得のための講義を行った。2007年2月に作成されたビデオを見て、主に直接、間接フリーキックとオフサイドについて学んだ。その後、ペーパーテストに移ったのだが、これが以外に難しい。文章でシチュエーションを表現しているので解釈がさまざま可能となり、すっきりしない。理想を言えば、ビデオであるシチュエーションを流し、この場合どういった判断で反則になるのか、といった問題にすればイメージが統一しやすいのだろう。とはいえ、短い時間で講義とテストをアカデミーのために行っていただき、4級審判取得の手引きをしていただいたことは非常にありがたく、選手もフットボールのルールを改めてわかりやすく理解できたようで、有意義な時間となった。この場をかりて、協力していただいた大井川氏に感謝の意を述べたい。
 
文:樋渡 群

2007年04月14日

花見

b070414.JPG
 昨年とほぼ同じ時期であるが、桜の花がより大きくより濃い。桜のトンネルをゆっくり何人かの選手と歩いていると、ある選手が「あの1つだけ光っている星が桜と調和している」とつぶやいた。確かに、遠くを見れば見るほどに深さを増す桃色の桜の花と背景の青い18時の空色の中でひときわ輝いていた。なんと感受性の豊かなことだろう。大人の目からは子どもは桜よりも屋台に夢中になるものだと思い込んでいたが、自然の美しさを体感できる者もいるようだ。つぶやいた少年は携帯に昨年のここの桜の写真を収めていた。ここで私は改めて大人の子どもに対する役割を改めて認識する。人間の精神バランスの基本となる美意識は、人工物ではなく、自然に触れることで育まれる。そういえば、バスで寮を出発して広野グラウンド前の道路を北に向かって真っ直ぐ進むと下り坂が始まり、右手に太平洋が望めるのだが、その時も、ある選手が「すごい」の一言を思わず発していた。あまりにも青くて広い。かの選手が出した一言は、ずっとずっと遠い昔の我々の先達も同じ場所で感じたに違いない。
 
文:樋渡 群

2007年04月12日

4月誕生日会

1期生、2期生にスタッフを加えた総勢40名近くが食堂に集合した。毎月恒例となったアカデミー誕生日会である。今夜の主役である4月生まれの選手達が横一列に並び、豪華な夕食を前に舌鼓を打ちながら会の始まりを待っている。
食堂の電気が消え、ろうそくに火が灯る。「Happy Birthday」の唄を全員で歌う。4月生まれの選手は多い。全員の名前を連呼するが余りの長さに思わず笑い声が上がる。 
b070412-01.JPG
<写真1:ろうそくを消す4月生まれの選手&スタッフ>
 
 司会進行、乾杯の音頭も選手が積極的に務めてくれた。食卓の上に並んだご馳走はすぐに各選手の皿に取り分けられ、瞬く間にその姿を消し去った。食堂の至る所から笑い声が起こり選手の顔からは笑顔が絶えない。
 最後には1期生から順々に今年1年の決意表明を披露。選手からは、「常に1番に行動を起こせるようになる」・「笑顔を絶やさない」や「恋愛も頑張りたい!」と全員の爆笑を誘う決意を述べるなど、それぞれが大きな期待を胸に今年1年の活躍を誓ってくれた。
b070412-02.JPG
<写真2:選手それぞれから今年の目標が掲げられた>
 
文:選手管理 林 晋太郎

2007年04月11日

4月11日 トレーニング

b070411.jpg
 ウォーミングアップから「ボール保持者に厳しくプレッシャーをかける」ことが強調される。7人のパス回しであるが、ボール保持者に一番近いものがプレスに行く。ボールを回す側も注意深くしていないと、出した本人が一番近くて、ディフェンスに急行しなければならない場合も出てくる。攻撃側には「素早く周りを見る」こと、守備側には「2人で同時に同じ場所に行かない」「1人が寄せたら、2人目は次のパスコースを消すポジションを取る」「カバーリング」が要求される。デュソー氏は、常に次のように言っている。「フットボールにおける不可欠な要素は、テクニック、すなわちボール扱い、そしてボールを奪いに行くことである。ボールを奪わなければ、せっかく持っているテクニックも使えない」
 
文:樋渡 群

2007年04月10日

「力の源」

午後2時過ぎ、アカデミー寮の前にワゴン車が滑り込んだ。サポートファミリー鈴木孝一さん・たか子さんご夫妻から愛情120%が込められた焼きたてメロンパン、クリームパン等に加えバナナの差し入れを頂いた。
早速、トレーニング前の補食として選手達へ振舞われた。選手達が学生生活からトレーニングへとモードを切り替えるには十分な頭と身体への栄養補給となったはずである。
広野町の方々、サポートファミリーの方々からの心温まるご支援には感謝の気持ちを表すのには言葉が足りない。多くの方々からの愛情を力の源に、選手達はここ広野から世界を目指している。
b070410.jpg

2007年04月09日

一夜明けて

b070409.JPG
 今週1週間デュソー氏は14歳を担当。プレミアカップの厳しい戦いから一夜明けての練習。目的は疲労回復。約2時間を中程度の強度で行った(ストレッチに25分程度割いたので、実質は90分のトレーニング)。子ども達の集中力は高い。敗戦から気持ちを切り替えてサッカーを楽しんでいる。リフティングからボレーシュートでトレーニングは幕を開けた。ゴールまでは15m。リフティングは各種。地面にコントロールしたらすぐシュート(コントロールからパスまでをステップ踏まずに“ポンポン”のリズムで)や、2人組みでヘディングしてゴール前まで進むなど。入念にストレッチに時間をかけ、ハンドパスのポゼッションゲーム。4対4。ヘディングでパス交換ができれば1点というルールを付け加えるとゲームはよりヒートアップ。デュソー氏の口からは頻繁に守備の時は“ボール保持者に厳しく寄せる”よう、攻撃の時は“マークをはずす”よう要求が飛ぶ。ヘディングゲームでは昨日のゲームで競り合いたがらない選手まで積極的に跳んで空中戦の1対1に臨んでいくから不思議だ。 最後は、コーンの間にパスを通して味方がしっかりコントロールできれば1点のポゼッションゲーム。“遠くを見る”、“シンプルにプレー”、“出したら動く”、“相手の間に顔を出す”“必ず1人がボール保持者へ寄せる、2人目はパスコースを消すまたはカバーリング”これらの言葉が繰り返しグラウンドに響き渡った。
 
文:樋渡 群

2007年04月08日

プレミア東北大会

 個のレベルアップを大きな目的に活動しているアカデミー。試合の内容が重要・・・
こういうと勝たなくても内容がよければいいという風に聞こえてしまうが、大会に参加する前に選手たちに『フェアプレーで戦う』ことを伝えた。フェアプレーについて問うと、ルールを守る、ファールをしない、怪我をさせない、ずるをしない、等の答えが返ってきた。どれも間違いではないが、『勝利に対してあきらめずに全力で戦うこと』がフェアプレーであることを選手と確認し大会に臨んだ。ピッチで求めたことは
 
◎ゲームでのテーマ
  観ること・・・多くの情報を集め共有する(味方・相手・スペース・ボール・ゴール)
  守備・・・ボールを積極的に奪いに行く(ボールを中心に塊を作る)
  攻撃・・・ボールを失わない(ピッチを広く使う)
 
 特別なテーマではなくこの一年間トレーニングしてきたことである。試合を振り返るとピッチを広く使い組み立てる攻撃は、改善していかなければならない面はあるもののある程度できていた。しかし守備の意識は日頃感じるものからは程遠いものであった。奪いに行く守備行動ではなく相手のミスを待ってマイボールにして行く守備の時間が長かった。そのため、試合の主導権をにぎることができず、それが攻撃にも影響を及ぼした。それは本来彼らが持っているダイナミックな攻撃が単発的に見られる結果となってしまった。決勝戦まで駒を進めたものの東北の代表権を得ることができずに課題を残し大会を終えた。
 帰省、引越し、入寮式、始業式そして監督の交代等々いつもとは違った環境の中で迎えた大会。選手には目に見えないストトレスが多くあったように思う。しかしそれを言い訳にしていてはアカデミーではない。『いつでもどんなときでもポジティブな・・・』
 また今大会では、幸野志有人がオズグットで試合に出られなかったが、同じく長くオズグットでトレーニングできなかった金城クリストファー達樹が太田東FC戦にフル出場を果たし、復帰できたことは、本人はもちろんチームにとっても明るい出来事であった。まだまだ多くの課題があることを確認できた大会。今後の彼らの飛躍を期待したい。
b070408-01.jpg
b070408-02.jpg宿舎にて夕食
b070408-03.jpg朝の散歩
b070408-04.jpg
b070408-05.jpg
b070408-06.jpg

2007年04月06日

2期生入学式

b070406.JPG
 集団で自転車をこいで学校へ行く。横断歩道などにはスタッフが立って生徒達に注意を促す。白いヘルメットが心なしか大きい。学校に着くと担任の先生方との顔合わせや入学式の準備で緊張が解けない。新しい生活のスタートにはさまざまなストレスが伴うが厳しいセレクションを共に戦い抜いた仲間が常に側にいるので心強い。赤い絨毯の上を大勢の参加者の前で歩く。できれば、顔を伏せたまま素早く歩いて自分の席に座りたい。こっちは早く歩きたいのに、隣の女子はゆっくりと顔を赤らめて進むので、こちらも恥ずかしさが倍増して無理やりぎこちなく歩む。席までがやたらと遠く感じてしまう。
 
 2期生は初めてのトレーニング。やっと大好きなサッカーボールを仲間と蹴りあうことができる。「実は夢をかなえたいと言うよりは、レベルの高い所で自分がどこまで通用するか試してみたいのが本音。おれって、地元のクラブではうまいって言われたけど、アカデミーではどうなんだろう?入校式のビデオメッセージで中村選手や高原選手は目標を持てと言っていたけど、まずはここで自分のプレーができるかどうかを確かめなくては。」果たしてトレーニングでは、高いポテンシャルを見せてくれた。将来が本当に楽しみである。
 
文:樋渡 群

2007年04月05日

式典

 開寮式、入校式、歓迎会。息つく暇もないスケジュールであるが、子ども達はたくましく立派に振舞った。開寮式では、1期生を代表して呉 大陸が挨拶をした。堅い挨拶が続く中、会場の笑いを誘うエピソードを盛り込み、大人顔負けのスピーチを。入校式では1期生(男女)が会場案内、受付、司会進行を務めた。1年前、緊張して、覚えた言葉がなかなか出なかった少年達はアカデミーのフィロソフィーを体に染み込ませ、堂々とした姿を披露した。2期生代表の高見 優は1期生に劣らない立ち居振る舞いを見せた。会場の参加者は少年達が大きな勇気ある一歩を踏み出したことに惜しみない拍手を送り続けた。歓迎会では広野町の皆様が心温まるパーティーを開いてくれた。子ども達も親と一緒に束の間の夕食時間を過ごした。サポートファミリーも紹介され、今年も大きなバックアップを得てアカデミーは始まった。
b070405.JPG
文:樋渡 群
 
入校式の詳細はこちらから(JFAホームページ)

2007年04月04日

2期生 入寮

b070404-01.JPG
 この扉を開けるのか。覚悟をしてこの大きな寮に来たが付いてきてくれた親ともう少し一緒にいたかった気もする。アカデミーから支給された用具に1つずつ名前を書き込んでいく。いよいよアカデミーの生徒か。このジャージ、明るい青だな。Sなのに大きすぎる。布団のセッティングはお父さんにやってもらおう。シーツをピシッと伸ばすのが上手いんだよな。同じ部屋の仲間はお母さんがベッドメイキングを手伝う。お母さん、ここにいてよ、本当はそう言いたい。
b070404-02.JPG
 島田さんが僕らのコーチか。優しそうで厳しそうだな。1期生は楽しそうに食事をしつつも、2期生の動向が気になるようだ。どんな人間かな。俺達、もう一年経ったのか。
 
文:樋渡 群

2007年04月03日

4月3日トレーニング

b070403-01.JPG
壁打ち
 
思わず無心になってしまう。突然耳に入るコーチの言葉で、思考しながらキックを繰り返さなくてはと我に返る。インサイドキックはかかとに近いほうがよいのか、けり足の膝をぐっと押し出したほうがよいのか。動作の繰り返しにまたもや無心になる。
 
b070403-02-1.JPG
パス&ゴー (菱形):ワンツー
 
 こんなにシンプルなトレーニングなのになぜパスがずれてしまうのか。1年間でおれの正確さはかなりあがっているはずなのに。よし、コントロールの方向はうまくいったぞ。サイドへパスして。パン!出した後は、スピードアップ。うわっ。足元に入りすぎた。もう30cmぐらい前にコントロールか。
 ダイレクトで真横にパスすればいいんだよな。パン!あれ?あいつのランニングスピードに合わないぞ。しかも、斜めに反らしてしまった。次こそは。パン!あれ?今度は弱すぎた。
b070403-03.JPG
パス&ゴー (正方形) ワンツー
 
 「リズムは素早く、ト、トンだぞ!」遠くからパスを出してしまうとコーチが要求するリズムが合わない。「ト、トン」は2人の距離がある程度近くなくては。しかし、近すぎてもだめだ。ワンツーで相手を突破するイメージだが、素早くパスをつないで急激なスピードアップ。抜け出したらまた、少しリズムを落ち着かせ、ある程度の距離に近づいた瞬間に再びワンツーで突破する。これを繰り返す。
b070403-04.JPG
給水
 
 ふ~。水がおいしい。相変わらずきついな、アカデミーのトレーニングは。しかも、無理だろ、あんな近い距離であんなパススピードでワンツーするの。お前、できた?何回かはね。ゆっくりで遠い距離からならできるんだけどさ、要求されてること違うからね。ワンツーってこんなにはやくやるんだね。
 
b070403-05.JPG
ポゼッション
 
 開始早々は、やはり皆がボールに寄ってしまい、広がりがなくなることで相手との距離も近くなりボールを失う回数が増える。須藤コーチはすかさずフリーズし、説明を加える。ただし、多くは語らない。選手が自然と動くように促し、ある程度スペース感覚を再認識させ再スタート。フリーズをかけると選手はすぐに理解する。前半から取り組んできたワンツーで相手を突破するプレーが徐々に現れ始め、頻度が高くなってくる。今度は守備側に働きかける。「奪いにいけ!厳しく!」
 
 最後はゲームで総仕上げ。
 
 何度もここで書いているが、ゲームが一番楽しそうである。パスをつなぎ、シュートする。こんな簡単なゲームなのに、仲間と相手がいることで1分先のことすら予想できない。ゴール前で自分か仲間がフリーな状態でシュートをするために、スペースを創り、そこへ入る。ボールはどういう具合に経由させようか。仲間と相手の特徴も気になる。サイドをつけば、簡単に相手陣地に飛び込めるが、しっかり守られていたら、どうする。

文:樋渡 群

2007年04月02日

1期生トレーニングスタート

 朝、目が覚めて、もはや2段ベッドの上でも下でもないことに違和感を覚えつつ、実家から持ってきた布団に包まれている安心感も抱く。体をずらして片足を降ろすと、遠くに仲間が見える。脈拍、体重を測る。朝食後、11時からは2007年度の初トレーニングがある。グランドへ行く前に必ずロッカールームで着替えて、グランド通用口から外へ出る。帰ってくる時もここに来る。こうすることによって、生活空間、時間をめりはりをつけて意識する。手には丁寧に手入れされたマイシューズを持ち、トレーニングへ行く扉を力強く押し開ける。
b070402.JPG
  久しぶりに帰ってきた。久しぶりにボールに触れる。体はボールとフィットするだろうか?ある選手は「一年のスタートだから、しっかり集中して行こう」と自ら集中を高めて臨む。ボールに寄りながらコントロールからパスまでの時間を短くしたいが、休み明けで体が思うように動いてくれない。「無駄な動きになってもよいから、とにかく走ってスペースを創り、使う」ことを心がけて集中する。最後のゲームでは、「ゴールとゴールの距離が短いからボールホルダーに素早くプレスに行くことを心がけ」ボールを奪う意識を思い出した。島田、須藤両コーチは休み明けに選手があまり動かないことを想定していたが、選手の動きを見て「結構やるな」と感心せずにはいられなかった。
b070402-02.jpg
 デュソー夫妻も日本に帰ってきた。デュソー氏はクレールフォンテーヌでも少しトレーニングをして調整した。寮で夕飯を共にしたのだが、子ども達がお盆を持って並んでいるのを後ろから成長を確かめるように見つめていた。
 
文:樋渡 群

2007年04月01日

新しい寮

 1期生の子ども達が帰ってきた。新しい寮に驚きをかくせない。それはなぜか。おそらく日本の「寮」という言葉を想像して見てしまうからだろう。おしゃれなスペースがあらゆるところに見られ、アーティスティックな色使いが新鮮である。寮内で移動するたびに生活環境が変化する。リラックスゾーン、トレーニング準備ゾーンなどにより気持ちも切り替わる。
 
 子ども達は、荷物を部屋に置き、家族とゆっくり寮内を見てまわる。目がきらきらと輝いて、これからの生活に期待が膨らんでいく。「おれたちはまた新たにスタートするんだ。」一通り家族と寮を見学して、家族は帰っていく。ベッドに腰掛け、一息入れてからダンボールのガムテープを無造作に引き剥がす。新品のにおいがするハンガーに一つ一つ私服をかけて、ロッカーに収める。ところが、仲間が騒ぎ始めるので片付けに集中することを放棄して遊んでみる。仲間との再会がうれしくてたまらない。
 
明日は何が待っているのだろう。
 
文:樋渡群
b070401.JPG

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

スケジュール