JFAアカデミー福島

Diary ダイアリー いきいきとしたレポートをお届け。

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2006年09月30日

デュソートレーニング 5

1.自由にランニング(30m×40m)
2.パス交換(30m×40m)
3.ヘディングゲーム(20m×15m)
4.ラグビー(30m×40m)
5.スプリント(10m、20m、30m)
 
 開始は10時。秋にしては少し暑いが、乾いた風が涼しさを与えてくれる。各自がグランドを広く使って自由にランニングをして体を温める。スピードトレーニングの前には十分に筋肉を温める。筋肉が増していけばいくほど、このウォーミングアップが重要になってくる。次にパス交換。16人にボール8つ。周りを見てパスを出し、受ける。ポイントはイニシアティヴを受け手に与えること。つまり、パスを呼び込む動きをしなければならない。ボールに寄る、スペースに走ることでボールホルダーに情報を与える。ボールホルダーは受け手が動いて要求して初めてパスをすることができる。動いてない者にはパスを出してはいけない。ボールをもらう意識を養うには非常に良いトレーニングである。働きかけとして、ボールを持つ時間を短くする(そのためにはボールを持っていない者の動きが重要になる)こと、ボールホルダーは遠くを見る、出したらフリースペースへ動くことを要求する。

 ヘディングゲームはペナルティエリア内に2コートつくる。胸から上のボールは全てヘディングで行う。ハンドパスは2回連続にならないように。普段のゲームと同じでマークを外す動きをしっかり行う。出したら動くことを習慣づける。ヘディングの競り合いは積極的に行い、一方が飛んで、一方がしゃがむことのないように注意する。

 ラグビーはスピードトレーニングの一環で行う。オフサイドのルールを設ける程度でスクラムを組んだりはしない。攻撃時はボールホルダーに対してサポートのポジションをしっかり取り、広がりを持ってプレーすること。フットボールにも通じるコンセプトである。守備時にはそれぞれがしっかりラインをしいて穴ができないようにする。もちろんカヴァーリングも忘れないようにポジションを取る。最後は個人勝負になるが、最終勝負に持ち込むまでは組織で相手を崩す。相手にタッチして3秒以内にボールを離さなければ攻守交替。

 スプリントは科学的に行う。この年齢で短距離を何十本も繰り返す必要はない。走る時間と回復時間を理論に基づいて測定する。10m6本、20m4本、最後の30mは3本。
1回のスプリントにかかった時間に20を掛けた時間が回復時間。セット間のレストは3分である。

 おまけで罰ゲーム付きのスプリントを行った。15m程度の距離を16人が一列に並んで同時にスタートする。最後の2人が罰ゲームの対象となる。デュソー氏は皆の前で歌を歌うように要求。しかし、最初の2人が恥ずかしがってなかなか歌わないので、もう一度走って4人が罰ゲームの対象に。決まった4人は終に腹をくくって歌い始めるが、1人だけあまりにも自分に浸って、歌手になりきったせいで、笑いの渦を独り占めにすることができた。たいしたものだ。

2006年09月29日

デュソートレーニング 4

 「トレーニング」コーナーの9月29日分と合わせて読んで頂きたい。
確認するが、デュソートレーニングのコンセプトは、組織でボールをキープすることを最優先事項とたうえで、
 
・対人プレーを多く行う(2対1、3対2、3対3などなど)
・常に動きながらボールに触れる
・テクニックを向上させるために持久力を上げる
 
の3点である。距離や大きさ、時間などはそれぞれの環境に応じたオーガナイズを行うと良い。まずは、子ども達にはゲーム形式のエクササイズをさせることが最重要ポイントである。トレーニングの種類は幾通りも考えられ、100人コーチがいれば、100以上のエクササイズが考えられる。
 
上記のコンセプトを踏まえたうえで、留意点はどこにおけばよいか
 
・シンプルにプレー(サッカーはパスゲーム、しかしドリブル禁止ではない)
・攻め急がない(常にトップスピードで攻めない)
・広がりを持つ(出したら止まらずフリーゾーンへ動く)
・相手から離れる(フリーな状態をつくる)
・守備の時はアグレッシヴにボールを奪いに行く(カバーリングがある状態で):
- ゴール前でずるずる下がると相手との距離が開きシュートをうたれやすくなる
 
これらを実行するために必要なテクニックが、
・常に首を振って状況を把握(特にボールを受ける前に周りを見ておく)
・ボールに寄る(相手から離れる瞬間は爆発的なトップスピード)
・情報の共有(出し手と受け手のイメージシンクロ):
- 受け手が爆発的に寄ってくるから出しては足元へ強いパスを送る
- 出し手がコントロールする方向を良く見て受け手がもらいに走る
  (足元、スペース)
・強いパス(強いパスはコントロールしやすい)
・守備の時はボール保持者に一番近いものが寄せる、残りのものはカバーリング、パスコースを消す
 
である。
 
 エクササイズは常にシンプルであるがそこに含まれるエッセンスを深く理解しなければならない。デュソー氏曰く、「システマティックにドリブルしてしまい、詰まってから味方にパスを出し、ボールを失う、システマティックに縦へ攻め急ぎ、ボールを失う、FW、MF、DFラインがコンパクトにブロックで移動しないため、ボールを失う、これが日本サッカーの現状である。しかし、日本人には世界に誇れる、持久力、俊敏性、柔軟性、勤勉性がある。これらをさらに向上させながら有効に用いるべきである」と。

2006年09月28日

デュソートレーニング 3

1.3対3+1フリーマン 20m×20m 15分
2.ポゼッション(近い二人がプレス) 20m×40m 10分
3.ストレッチ 5分
4.2対2+4サーヴァー 20m×20m 15
5.2対2+1サーヴァー 20m×40m 13分
6.パス、コントロール 25分
7.7対7+GK 30分
 
トータル 約2時間(上記以外に給水や小休憩は随時入る)
*図については「トレーニング」コーナー参照
 
1について
手でパス交換なのだが、手でキャッチする前に頭や胸、腿、足でコントロールする。つまり、しっかり動きながら、ある程度フリーになれないと行えないプレーを要求している。余裕があれば頭同士のパス交換。常にパスの強さに注意。弱いパスが習慣づいてしまっている日本人には必要不可欠な要素。b060928-01.jpg
 
2について
ディフェンダーはボール保持者に最も近い二人。状況を素早く察知してプレッシャーに行く。反応の早さと奪いに行く姿勢を要求する。「誰が行くんだ!」と大きな声でコーチングする。パス回しに気をとられてディフェンスに行くのを忘れてしまうからだ。b060928-02.jpg
  
4について
サーヴァーは4人いるといってもできるだけ中の2人でボールキープを心がける。ここでも常に言われているのが「強いパス」「マークを外す動き」である。マークを外すことはだらだら長く動いても意味がない。2,3歩のサイドステップで相手との距離が離れるし、タイミングをずらすだけで相手よりも先にボールを触れる状況を創り出せる。
 
5について
オフェンスは縦パスを通すためにシンプルにボールを回し動き続ける。ディフェンスは1人がボールに寄せて、もう1人はカバーリングと簡単に縦パスを通させないポジションを取る。ディフェンス2人が平行に並んでしまうとピンチを招く。縦パスを受けるサーヴァーはグラウンダーのパスでゲームに参加。反対側のサーヴァーへ直接パスを通しても良い。
 
6について
実戦に近づける。足元へのパスとスペースへのパスを組み合わせる。ランニングとパスがきちんとシンクロしていることが重要で、パスの正確性とタイミングを意識させる。最後はシュートで終わっているが、それはトレーニングにリアリティーを持たせるためである。
出したら、次のマーカーまで急いで移動する。出した後、だらだらと移動してしまうと良い習慣は身につかない。パスは強く。
 
7について
ルールとして、ゴールするためには全員がコートの半分以上に入っていることが付け加えられた。コンパクトに保つことはこのルールとコーチングで選手に意識づける。問題は攻撃から守備に切り替わった時に危険な場所を察知して戻ってこないこと。デュソー氏はゲームを開始してから早いタイミングでフリーズをかけていた。

2006年09月26日

デュソートレーニング 2

 広野中が中体連の新人戦ということで、アカデミー生は学校はお休み。午前中しっかりと勉強してからトレーニングを行った。二つ沼総合公園の広場を使ってVMAトレーニング。以前のテストをもとにグループを5つに分ける。5月16日と方法は同じである。各自がVMAの80%で走れるようにランニングコースを作る。VMAの数値が一番高いものが走る距離が最も長い。1分間に走る距離を計算して決めて、それを1周として8周走る。8分間走って、8分間のアクティヴレスト。これを3セット行う。アクティヴレストは2人組みでパス交換やストレッチ。b060926-01.jpg各自ハートレートモニタを着用
b060926-02.jpgストレッチ
b060926-03.jpg各グループそれぞれの速さがあり、同じペースで走り続ける
 11時半から昼食。ゆっくり休んだ後、14時からアジアナンバーワンとなったU-16日本代表の報告会を行った。日本代表ではテクニカルスタッフとして相手チームの分析などを行っている原田コーチがビデオを見せながら選手に説明する。1年8ヶ月にわたってチームで言い続けたコンセプトは次の3つ。

1 Move
2 Aggressive
3 Re-Start

  1のmoveは常に動きながらプレーすること
  2のaggressiveは攻撃のためにボールを奪いに行くこと
  3のre-startはスローインやセットプレーなどをできるだけすばやく行うこと

・1について
シンプルにボールを素早く広く動かす。相手に簡単に的をしぼらせない。パスを出した後、奪い返した瞬間に積極的に動いて攻撃に関わる。足が止まらない。ドイツワールドカップのシーンなども出して非常にわかりやすい。特にボールがないところでのランニングにフォーカス。ドイツ対イタリアのデルピエロのゴールシーンでは彼が自分の陣地のペナルティエリア付近まで帰っているにもかかわらず、カンナバーロが全力奪取で前へ寄せながらボールを奪った瞬間にはデルピエロが相手陣地のペナルティエリアまで走りこんでドイツの息の根を止めた。

・2について
これはあくまでも攻撃をするためのキーワード。守備の時にディフェンスとフォワードの距離を開けすぎないことがポイント。下がらずしっかり寄せて相手にシュートや決定的パスを通させない。U-16の選手達は非常によく走って危険な場所へ急行する。ボールを奪い取ることでより攻撃の時間を長くしようという姿勢が随所に現れる。今まで日本ができていなかったことをよく体現している。

・3について
リスタートを早く行うのは相手に陣形を整える時間を与えないこともひとつであるが、できるだけ自分達がキープする時間を長くして、相手に休む時間を与えないことがポイント。つまり走る量の勝負に持ち込むという意識である。

 とにかく、パスを出す前、ボールが動いている間、パスを出した後の動き出しが早いし、複数の人数が攻撃に良く関わっている。これが日本が目指すべきサッカーであろう。是非一度試合を見ていただきたい。原田コーチのレクチャーが終わった後、デュソー氏は次のように褒め称えた。「すばらしい。アカデミーがまさにやろうとしていることだ。U-16はすばらしい仕事をした。3年後にはアカデミーの選手が同じようにカップを高々とあげているシーンが見たい。とはいっても、次は世界の頂点を目指さないといけない。まだまだやることはあるよ。」

 さて、15時半からは本日2回目のトレーニング。
詳しい内容は「トレーニング」のコーナーを見て欲しい。最後の3対3ゲームでは「全員攻撃、全員守備」を意識させた。U-16のように積極的に攻撃のために守備を仕掛ける。距離を開けすぎず、しっかりボール保持者に寄せていく。しかし、寄せるためにはカバーリングの準備をしていることがシンクロされていないといけない。

 明日は、U-16ナショナルトレセンのシュミレーションの手伝いでアカデミー生が参加するためデュソートレーニングはお休み。

2006年09月25日

デュソートレーニング 1

 今週1週間はデュソー氏がトレーニングを行う。デュソー氏がフランスに帰国する11月30日まで(あくまで予定)デュソー テクニカルアドバイザーと島田ヘッドコーチが各週交互に行う。
練習に入る前にいきなり激が飛ぶ。「筋肉が温まっていないうちに体幹トレーニングをやって筋肉を伸ばすような行為はしてはいけないぞ!まず、リフティングなどをして遊んで筋肉をしっかり温めないと!」
 トレーニングはいきなりゴール前でのシュートトレーニングから始まった。ペナルティラインからスピードに乗ったリフティングをして対角線上のサイドネットへシュート。まっすぐに進んでシュート。ハーフボレーから、コントロールしてシュートまで。  体が後ろに倒れすぎるとボールが上に行き過ぎる。しっかり前へ体を傾け、立ち足をまっすぐ目標へ向ける。振り足も同様。正確性が目的。b060925-01.jpg
 場所を移してパス交換トレーニング。20m×20mのグリッド内に3、4人でボール1つ。パスする時も受ける時も動きながら行う。与えられたゾーン内をフルに活用する。ボールを受ける時はしっかりスピードを上げてボールに寄る。足を止めてはいけない。常にフリーゾーンでフリーになる習慣をつける。次に隣のグリッドの選手からリターンをもらい、素早く90度方向を変えるコントロールをして3人目の選手を探す。パスを出したら素早く出した場所へ移動する。フットボールはいかなる時も首を振りながら情報を収集し動きながら考えなくてはならない。
 反対側に移動して7対7。30m×40mの長方形内に2mのコーンゴールを8つ。最初はボールと人間が同時にコーンゴールを通過すれば1点。広がりを持った中で、ある程度フリーでボールを持てる状況を創り出す。コントロールからドリブルを早く行う。遅ければすぐディフェンスが寄ってくる。次に、ボールのみをコーンゴールに通せば1点。マークをはずす動きが必要になる。特に2人のディフェンスの間に顔を出す。ゲームの方向性も意識する。詰まった状態のパスまわしにならないように広い場所を見つけることが重要である。
給水、ストレッチタイム。
 コートを移動して、25m×15mの長方形で4,5人組みのパス、コントロール。サイドの突破からセンタリングを意識したトレーニング。足元へのパスとスペースへのパス。スペースへ出す前のリターンパスを組み合わせる。センタリングをあげるための決定的なスルーパスを出す準備。一つを除いて各コーナーに人を配置する。ボールをもらうときは止まった状態ではなく、爆発的ダッシュを行う。それは3,4m程度。マークをはずす動きである。パスは強く。パスを出したらすぐ走る。
 ヘディング、ボレードリル。ゴールから15m程度離れた場所から走りこんでヘディングシュート。ボールはゴール脇から出る。ドリルは7秒以内の繰り返しでグッドジェスチャーを身につける必要があるので距離と人数には注意が必要である。目的はボールの軌道を見てからしっかりボールを叩くこと。ボールが投げられていないのにずるずる前へ出てきてかぶってしまうことがないように注意。また、両肩がしっかりゴールに向いていること。首をひねらないこと。ジャンプヘッドに移行する前にタイミング、しっかり胸を反ることを意識させるために、ジャンプキャッチから地面に足が着く前にゴールへ両手で投げ込むエクササイズを行った。ジャンプヘッドの後はボレーキック。体をしっかり斜めに倒すことを強調する。
 最後はハーフコート(横が広い)でGKも含めて8対8。目的は以下。
  ・ブロックを形成しディフェンスラインとフォワードラインをコンパクトに保つ
  ・攻め急がない
  ・最大限広がりを持つ
  ・マークを外す動き
  ・しっかり要求する
  ・ディフェンスは下がらない
  ・カバーリング
 ゲーム中フリーズが何度かあったが最も象徴的だったのは、「ゴールへ向けたパスはコントロールするのが難しい」ということだ。斜め前でもゴールから離れるようなサイドへのパスならサイドのプレーヤーが中へ切れ込むことを可能にする。
 トレーニング後のミーティングでデュソー氏は、「ゴールが少なかった。なぜなら、ディフェンスがしっかり前に寄せてカバーリングも行っていたからだ。逆にフォワードはこういった場合、動き回ってフリーな状況を創り出さなければいけない。同じポジションにいてはソリューションは増えないぞ。」とコメントした。

2006年09月24日

デュソークリニック in 郡山(県中トレセンU-11、U-12)

 高速道路から太平洋を見ると、波が荒れている。台風の影響が懸念されたが、郡山の西部サッカー場に着いてみるとほとんど風もなく青い空がいっぱいに広がっていた。郡山の喜久田JFCの黒澤さんの呼びかけで県中トレセンU-11 とU-12の少年22名、コーチ20名が集まってくれた。講師はクロード・デュソー テクニカルアドバイザー、島田信幸ヘッドコーチが勤めた。b060924-01.jpg
トレーニングに入る前に、参加していただいた指導者の皆さんにこの年代のトレーニングの目的を伝える。

・できるだけボールにたくさん触れること
・ボールを使ってたくさん走ること

 子ども達を5人組4グループに分け、20m×20mのグリッドを4セットつくり、各グループはその中でドリブル。ボールは各自一個ずつ。常に相手を意識して、ボールは次のプレーがしやすい場所に置く。ワンタッチ目とツータッチ目の間にたくさんステップを踏むのではなく、各ステップごとにボールにタッチする習慣をつける。トン、トン、トン、トンというリズムでタッチする。顔もしっかり上げてできるだけ遠くを見る。徐々にスピードを上げていく。5人が固まりすぎないように、目いっぱい広がりを持ってプレーする。どこに大きなスペースがあるか把握する。次にリフティング。足首を曲げてしまうと、ボールに回転がかかって自分の方に戻ってくる。これはリフティングの回数を増やすには良いかもしれないが、リフティングはボールの芯を捕らえるキックトレーニングでもあるので、ボールが回転しないように足首をしっかりまっすぐ伸ばす。
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 コートを移動して、スラロームドリブル。この年代はボールを使えばそれがコーディネーショントレーニングになる。さまざまなステップの踏み変えを要求しながら、相手の逆を取る動きを入れる。右斜め前へ行くために、しっかりと左に体重をかけて相手の逆を取る動作を意識させる。ヴァリエーションは工夫次第で幾通りも考えられる。右に行くと見せかけて左足のアウトで外に出て、さらに同じ足のインサイドで切り返すなど。成功し始めたらスピードを上げる。長い列を作って待ち時間が長くならないように、3,4人一組で繰り返し行う。
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 元いた正方形のグリッドに戻り、手でパス交換。4,5人にボール2つで行う。ボールを受ける時にしっかりボールに寄ること。止まってもらっていたら、相手(ディフェンダー)にインターセプトされてしまう。投げた後は広いスペースへ動く。パスして止まっていたら相手(ディフェンダー)もその位置に留まり、フリーになれない。パス交換は出し手と受け手の準備が整って初めて成り立つ。自分がパスを出したい時に出すと意思の疎通が不足してボールを失う可能性が高くなる。しっかりと前に寄る(ボールを要求する)動作を情報として味方に発信しなくてはならない。手の後は、足に戻してパス交換。考え方は手でパスした時と全く変わらない。ただし、パスは短く、弱くならないように。芝スレスレのボールをバウンドさせないように強く蹴る。これも相手に取られないためのテクニック。

 ビブスの色を意識させてパス交換。緑、白、赤、黒。最初は同じグループ内でパス交換を行うが徐々に要求を難しくする。緑と白がパス交換。赤と黒がパス交換。次に、緑は白へ、白は赤へ、赤は黒へ、黒は白へパス交換。あらかじめ出す味方を把握する。コートがどんどん広くなるためにスペースがどこにあるかも把握しなければいけない。簡単なエクササイズではない。

 3対3+フリーマン(1人or2人)。これまでのエクササイズで要求されたことをフル活用する。
・ボールに寄る
・コントロールする前に周りをはやく観る
・出したら広がる
・相手ディフェンダーの間に顔を出す
・フリースペースを探す、使う
・相手からタイミングよく離れる
・強いパス
・フェイントで相手の逆を取る

 コントロール-パスドリル。パス交換トレーニングにおける最も大切な要素にフォーカス。つまり、ボールをもらう前にタイミングよくボールに寄ること。これを三角形のトライアングルを作って行う。ボールが2人の間を移動している時に、3人目の選手は「見せかけの動き」を入れてボールに寄り、コントロール、パス。「見せかけの動き」とは完全に味方から視野を離し、あたかも別の場所へ行くふりをしておいて、突然スピードアップして元いた位置に戻り、味方とアイコンタクトを交わしボールを受け取ることである。味方を見ながらバックステップをして、ターンしてボールをもらうことは「見せかけの動き」とは言わない。なぜなら、相手(ディフェンダー)がパスの出し手を容易に察知できてしまうからである。「見せかけの動き」とボールをもらいに行くときのスピードには緩急が必要である。b060924-04.jpgシュートドリル。7,8mボール運びをした後、10m程度の距離のシュート。10名ずつ半分にわけ、2つのグループが対角線の位置を取る。両側から同時にスタート。このエクササイズもまずはたくさん繰り返すものなので、待ち時間をできるだけ短くする。目的はシュートの正確性。最初はゴールキーパーに向けてうつ。立ち足、振りぬいた足がきちんとキーパーに向けられていること。次に、好きな場所を狙う。要求も難しくしていき、ドリブルではなく、対角に位置する仲間へパス。ボールにしっかり寄りながらコントロールしてシュート。同じサイドにいるプレーヤーがドリブルを開始して、中にコントロールした瞬間にシューターはスタートしてスペースで受けてシュートする。いかに、空いたスペースを有効に使うか。早くスタートしすぎるとオフサイドになるし、フォワード同士が平行に並んでしまい、相手にカットされたら2人は置き去りにされてしまう。コントロールをミスしてセンタリングの位置にいるにもかかわらずシュートしてしまう選手に対しては、「いいか、これはシュート練習だぞ。確かに君はパスが悪くてここでボールをキープせざるを得なかった。しかし、この角度でシュートが決まると思うか?それよりも中に味方がいるだろう?パスしてごらん?」とできるだけオーガナイズにとらわれずサッカーの現実性を意識させる。

 最後はコート2つに分けて6対6のゲーム。コートの大きさは正規のグラウンドの8分の1。指導者の方にも入ってもらった。丁寧にパスを出す。スペースを広く使うことにフォーカス。子ども達は全ての要素をいきなり表現はできないが、フリーズをかけると、自分たちで考えて動く。つまり、頭では理解しているということ。どこがフリーなのか、どこに動けばよいのかわかっているのである。徐々にフリーズされなくても自分から動けるようになるにはもちろん時間がかかる。b060924-05.jpg
子ども達は慣れないトレーニングにもかかわらず、デュソー氏の要求にすぐさま答えようとトライしてくれた。コーチングにしても普段より厳しいことを要求され、さらに厳しい表現で緊張したかもしれない。しかし、最後は子どもらしい笑顔でクリニックが終了した。

トレーニング後は指導者の方々とデュソー氏とのディスカッションがその場で行われた。以下のような質疑応答

Q:この年代はテクニックにフォーカスされるとおっしゃったが、コーディネーションは特別に行わないのか?
A:この年代はボールを扱うことが既にコーディネーショントレーニングになっています。
  今日も行いましたが、スラロームドリブルではコーディネーションに不可欠なステップの踏み変えがかなり要求されます。さらに、単なる2人組みのヘディングにしてもボールの軌道をしっかり把握して、それによってステップを踏み変えてボールをとらえないといけません。つまり、ボールを使ってテクニックを磨くことと体をコーディネートすることはほぼ同じ事なのです。

Q:トータルのトレーニング時間は2時間ですが、各エクササイズは何分程度行えばよいのですか?
A:気温にもよりますが、20分から25分が一つの目安になるでしょう。ストレッチや給水タイムもとる必要がありますから30分ごとにエクササイズが変わっていくと考えるとよいのではないでしょうか。給水はトレーニング終了後にしっかりとらせてください。

Q:エクササイズで顔を上げることがかなり要求されていましたが、どの年代から開始すべきなのでしょうか?
A:できるだけ早い年代からスタートするべきです。ポイントはボールを持つ前にしっかり周りを見ておくことです。ボールの移動中に首を振って仲間がフリーになっていることを確認してコントロール、パスする習慣を身につけなくてはいけません。例えば簡単な2人組みのパス交換で受け手が背中を向けたとします。その時、出し手の多くはその背中を向けた選手にボールを出してしまいます。つまり、顔を上げて見ていないのです。このボールを受ける前にしっかりと周りを見るというテクニックは非常に大切で、早いうちから身につけておいてもらいたいです。

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西部サッカー場を後にして、夕焼けに照らされた稲穂が黄金色に輝いて、秋風にそよぐ様に見とれていた。緑に覆われた天然芝から美しくのどかな田園風景への変化に少し戸惑ったが、県中の指導者の方々の熱意が積極的なトレーニングへの関わりや質問にもうかがえたことを思い出し、JFAアカデミー福島のコンセプトを少しでも理解していただいた安心感に少しばかり浸った。

最後に、クリニックの準備を滞りなく行っていただいた喜久田JFCを初めとするスタッフの皆様に感謝の意を述べさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

2006年09月23日

第6回目 コミュニケーションスキル

 今日はJFAプログラムのコミュニケーションスキルが行なわれた。
コミュニケーションスキルとは言語技術を身につけるために必要なトレーニングを行なう。トレーニングを通して言葉を操るための基本的な技術と共に社会で自立して生きていくために必要な論理的思考や批判的思考力なども身につけていく。

 今回は要約のテクニック。連続性のある絵を見てそこから物語をつくる。物語を作った時点では約2000字ある文章をまず300字程度にまとめた。この作業を行なうにはまず文章の中のキーワードを拾い上げていく。キーワードには5W1Hが含まれる。キーワードをつなぎ合わせ文章を完成させていく。さらにまとめた文章を最終的には100字程度にまとめるという作業を行なった。この技術ができるようになると文章を早く読めるようになるようだ。
4月から6回目の授業だったが選手の文章を書くスピードが速くなった。スピードだけでなく文章の内容も良くなってきていると講師の三森先生はいう。
このプログラムをベースとしてしっかりとコミュニケーションがとれる人になってほしい。b060912-01.jpgb060923-02.jpg
       文:アスレチックトレーナー 藤本 栄雄

2006年09月22日

相手から離れる動き

 デュソー氏が練習後のミーティングでアカデミーが始まって以来、「こんなにdémarquage(デマフカージュ)ができたのは初めてだ。明らかに上達している。」とコメントした。このdémarquage(デマフカージュ)とは日本語で言うと「相手から離れる動き」を意味する。1mでも2mでも相手から離れてある程度フリーでボールを扱える状態を創りだすことである。相手を背負った状態で、だらだらと動いてボールを要求しても相手に簡単にインターセプトされてしまう。そこで、自分でボールを受けるタイミングを創りだし、一瞬でも相手よりも先にボールに触れる技術が必要になる。

 これは、受動的なプレーから能動的プレーが要求されることを意味する。つまり、主体的にゲームの展開に関わる意識こそが最初のベースとして強烈に意識されていないと身につかない。仲間がなんとかしてくれる、自分は適当に展開に加わって、ボールが来た時に何かできればいいや、という発想から脱却しなければならないのである。

 コーチ側がこのテクニックを身につけさせる時に最も注意しなければいけない点である。フットボールは実は常に能動的に動き続けなければいけないスポーツである。ボールを奪われるという一瞬の受動的瞬間は訪れるとしても、次にボールを奪い返す局面は個や組織で創り出さなければいけない。勝手にボールは自分のものにはならないのである。

 とにかく、冒頭のデュソー氏の発言はトレーニングの方向性が間違っていないことを示唆する非常に貴重なものであると思われる。b060922.jpg

2006年09月21日

早川 直樹 氏(日本代表 アスレティックトレーナー)レクチャー

 Jヴィレッジでのアカデミー選考会の後、早川氏が数日滞在。早川氏にはアカデミーのフィジカルテストやストレッチ、コーディネーション、体幹トレーニングに関わってもらっている。以下はアカデミーの選手に向けてへのメッセージである。
____________

 代表チームでの私の仕事はドクターと協力して怪我の応急処置、治療、そしてリハビリテーションを行なうこと。またコーチングスタッフと協力して選手のコンディションの管理を行なうことです。
 アカデミーの選手には、まず小学校6年生で親元や友達と離れて、自分の育ったところとは全く違う環境での学校生活、そしてサッカーを中心とした生活を自ら選択したことに敬意を表したいと思います。
b060921.jpgこの年代では技術的な習得が最も大切ですが、合わせてコーディネーション能力や呼吸循環器系の能力を伸ばすべき時期でもあり、同様にコンディショニングの基礎となるセルフコンディショニングをしっかりと見につける時期でもあります。

 この年代では自分自身の体の痛みが良く分からなかったり、伝えられなかったりします。まずは、自分自身の体を良く知ること。体の痛みを自分自身の言葉でしっかりと伝えられるようになることが大切です。日本代表選手でも自らしっかりとコンディショニングを行なえる選手は長い間現役選手として活躍しています。三浦和良選手や中山雅史選手、秋田豊選手などが良い例です。

 この年代では、まず自らできるコンディショニング方法を学んでほしいと思います。アカデミーにはドクターや専任のアスレティックトレーナーもいますし、コーチからも色々な方法を教わることが出来ます。まずは自らやってみることが大切だと思います。

 まだ半年が過ぎたばかりで、これから学校生活やサッカーのことで悩むことも多くなるかもしれませんが、いくつかの犠牲を払って自分自身が選んだ道だということ忘れずに大きな夢に向かって頑張ってほしいと思います。

                     日本代表 アスレティックトレーナー
                     早川 直樹

2006年09月18日

おめでとう!日本代表U-16

王者にふさわしい勝利だった。0-2とリードされはしたものの、ボールと人が幅広く素早くダイナミックに動いているのは明らかに日本だった。フリーでうてるチャンスも圧倒的に日本が多い。90分で勝負が決まりそうだったが、延長戦に突入。しかし、日本は延長戦でも運動量を落とすことなく相手を圧倒した。日本サッカー史に残る快挙ではあるのは間違いないが、ゲーム展開の質がなんといってもすばらしい。アカデミーからは原田コーチがテクニカルスタッフとして常に帯同している。シンガポールにいる原田コーチには試合が終わるたびに電話をしたのだが、全部留守番電話。帰ってきてからまたいろいろと報告してもらうことにしよう。U-16日本代表の選手、スタッフの皆様、本当におめでとうございます。そしてお疲れ様。b060918.jpg

2006年09月17日

第1回サンマルコ杯 通称:トマトカップ

 二つ沼公園内に設けられているパークゴルフコースにて、サポートファミリーのサンマルコ店主鈴木幸一さん・たか子さんご夫妻主催のもと、アカデミーパークゴルフコンペ、スポンサー名を受けサンマルコ杯(通称:トマトカップ)が開催された。選手達は、昨日の試合の疲労を除くためのアクティブレスト(積極的休養)として、リラックスしながらも真剣勝負を楽しんだ。b060917-01.jpg
5組に分かれてのラウンド


パークゴルフといってもルールの大部分はゴルフと同じである。ゴルフにはサッカーのような審判員はいない。自らが自分自身を判定し、申告をするスポーツである。人に裁かれる以上に、自分自身を裁くということは人間にとって難しい。なぜなら、人間は自分自身に弱いからである。選手達は自らを律し、フェアプレーの精神を遊びの中からも学んでくれたのではないか。b060917-02.jpg
ラウンド中はお互いに打数を確認


 プレー中は選手の個性が至る所で露呈された。1打1打に集中する者もいれば、全く考えず自らの持つゴルフセンスだけを信じボールの行方はボール頼みの者、1番ホールで10打近くを叩き早くも戦意喪失する者、ラウンド半ばで集中力を完全に無くす者など様々であった。そんな17人の参加者で優勝、準優勝に輝いたのは、抜群の集中力を発揮したスタッフ陣であった・・・まだまだ選手には負けられない。
ゴルフ後の昼食にはカレーをいただいた。スポーツの後に食べる食事は会話も弾み、食欲も進む。それぞれのテーブルでは先ほどのゴルフの話で花が咲く。b060917-03.jpg
大盛りカレーで昼食


 このような盛大なゴルフ大会を今後も定期的に開催して下さるとおっしゃる鈴木ご夫妻。
「ここでは私達が選手の親代わりですから。休日を息子と過ごす父親、母親の気分ですよ!」と温かい笑顔でお話をいただ頂いた。
選手・スタッフ一同が大きな感謝の意を抱きながら初秋の休日を楽しんだ。
                           文:選手管理 林 晋太郎

2006年09月16日

vsエスペランサ

前半4-0
後半7-0
合計11-0 勝利

 アカデミーが序盤から圧倒的にボールを支配する。今までも言われ続けてきたことは「ボールをシンプルに動かす」・「積極的にボールに関わる」・「FWとDFの距離をコンパクトに保つ」。シンプルに細かいショートパスを繋ぎながら相手ゴールを目指す。2人目、3人目の選手がスペースに飛び込む、前の選手を追い越し後ろからオーバーラップを仕掛ける等、日々のトレーニングで培われたコンビネーションをピッチ上で表現していく。
しかし、圧倒的にボールを支配するも肝心のフィニッシュが決まらない。仲間がつないだボールを後はゴールに入れるだけの絶好機。力みからかシュートのモーションが大きい。自らゴールの枠外へ外してしまう場面が連続した。シュートはゴールに蹴りこむという意識がまだまだ強い。GKの位置を見て空いているスペースへ流し込むという選択肢がまだ身に付いていない選手が多い。シュートとはゴールへのパスである。
 前半7分に先制点を奪うとその後も小刻みに追加点を加えていく。選手達はゴールへの執着心を試合終了まで貪欲に見せてくれた。攻撃面では多くの場面で成果を見せたものの、この試合では積極的にボールに絡むことを意識するあまりにDFラインで修正点を露呈した。相手FWとの位置関係、逆襲への良い準備は選手たち自身が考え対応する能力を身に付けていかなくてはならない。
試合後、得点を決め満足顔の選手、自分の理想とはかけ離れたプレーしかできず消化不良顔の選手など悲喜交々であった。選手達は成果と課題を見直しながらまた先に進まなくてはならない。  
                    文:選手管理 林 晋太郎

2006年09月10日

対 リベルタ

  前半 2-0
  後半 2-0

  合計 4-0 勝利

 日頃練習しているグラウンドと勝手が違い、ボールが不規則に跳ねる。確実にボールをキープしようとタッチ数が多くなる。自然と小学生から習慣づいてしまっている無意味なドリブルが増える。ドリブルが効果的なのは1対1で、その相手を抜けばシュートがうてる、もしくはセンタリングなどの決定的パスが出せる場面においてである。それ以外に用いるとどんな弊害が起きるか。ドリブルは確実に味方にパスをつなげるための手段ではない。ドリブルを各人が行うことで周りのサポートも予測がつかず、チームモビリティーが停滞し、足元のみへのパス回しになるのである。

 フットボールはパスゲームである。素早く広くボールを動かし、相手に的をしぼらせないことが重要。シンプルなパス回しによってある程度静かなリズムから急激にスピードアップして相手に襲い掛かる。アカデミーが目指すフットボールはここにある。もちろん、そのためにはアグレッシヴに緩急をつけて動き続けないといけない。

 今日のマッチを見ていると、デュソー氏も指摘しているように「フットボールのエスプリ」をまだまだ理解できていない。0910.jpg

2006年09月09日

新人戦 2戦目

VS ASペスカ
  前半0-0
  後半0-1

  合計0-1 負け
 10時半のキックオフに合わせて寮の出発は7時30分。子ども達は6時に起床しいつもどおり体重、脈拍チェックをし、掃除をして食事。前日準備したユニフォームや給水タンク、テント等をアカデミーバスに乗せる。バス酔いするものは酔い止めを飲んで乗車。0909-01.jpg

 郡山西部サッカー場まで2時間。慣れない移動だけに疲労をしているものが何人かいる。おそらくバスの中で静かに休んでいなかったのだろう。「移動」はこれからプロで活躍しようと思えば避けて通れない障害である。膝を曲げたまま長時間同じ姿勢でいることによる血液の悪循環は思った以上に体を蝕む。

 さて、試合だが写真にもあるようにデュソー氏も島田監督も表情が厳しい。育成の難しさを改めて思い知らされた。これまでで最も内容の悪い試合となった。ゴールキーパーからリスタートする位置が低すぎるため、相手の素早いプレスがかかるとすぐさまピンチになる。また、ボール保持者に対してソリューションを与える動きが少なく、ディフェンスに易々とボールの奪い所を察知されてしまう。味方のポジションを確認せずボールを出して失ってしまう回数が何度あっただろう。シンプルなパス回しから離れて中盤でドリブル勝負に挑む。周りを見ないで相手がいる方向にコントロールしてしまう。0909-02.jpg

 自分たちより一つ上の14歳を相手に戦っていることを皆が忘れていた。福島県のクラブだから楽に勝てるだろう、と相手に対するリスペクトが欠けた姿勢は試合開始から伝わってきた。「動かなくても足元パスだけで簡単に崩せるさ」「なにせ、おれたちはテクニックがあるんだからな」0909-03.jpg

 13歳と14歳は生理学的に全く別のカテゴリーである。14歳と15歳はそこまで差はない。つまり、身長とパワーでは勝てないのである。では、そういった相手に対してどのようなサッカーを展開すべきか。以前にも書いたが、「ボールを素早く広く動かし、1対1を極力避け、攻守に渡って数的有利を創るために走る」ことだった。1対1を避けるといってもボールがないときの1対1には勝たなくてはならない。つまり、相手からできるだけ離れる動きをすること。視野から消える動きも含まれる。

 デュソー氏の指摘であるが、普段のトレーニングでプレッシャーが少なすぎることが原因の一つである。ディフェンダーを育てているわけではないのだが、ボールをアグレッシヴに奪いにいく姿勢、ボールを奪われた瞬間に奪い返すために戻る姿勢がまだまだ習慣化されていない。これはテクニックの一つともいえるが、フットボールをする者の最低限のアクションであり、メンタリティーである。フットボールネーションでは当たり前だが、数多くのインターナショナルプレーヤーを育てた目からは日本人に足りない、いや、大きく欠けている考え方なのである。0909-04.jpg
試合終了後の選手、スタッフ

2006年09月08日

試合前日準備

0908.jpg 9月3日に初めての公式戦を経験した。しかも2時間の移動が伴った。公式戦とはいえトレーニングの一環なので準備は自分たちで行う。ユニフォーム、ビブス、テント、水用タンク。ヒントはすでに経験している。1試合目で何が必要かは目で見ている。子ども達が率先して何か行動に移ることができるのも、あらかじめ情報があるからで放任では何も生まれない。クリエイティヴ、イニシアティヴはゼロからは生まれないのである。やはり最初は大人が親身になって子どもにヒントを与えてあげることが肝心。子どもがすぐに要求に答えないからといってすぐに「あれもこれもだめ!」とイライラしていないだろうか。1週間同じことを言ってもまだ実践できないのがこの年代。すぐに怒ってしまうと子どもも萎縮してしまう。しかし、怒らないと甘えに転じてしまう。根気、丁寧、寛容、厳粛、愛情のバランスが整っている大人が必要である。

2006年09月03日

9月誕生日&デュソー夫妻歓迎会

 9月の誕生日は1人だが、デュソー夫妻が来日したこともあり、誕生日会と歓迎会を一緒に行った。選手が「デュソーさんのいない間、中国遠征や厳しいトレーニング、試合を行ってきました。ぼくたちが成長しているかどうか見てください。」と謙虚な自信を見せると、デュソー氏は「その発言自体が君たちが成長している証拠だよ。それに、みんな目つきがいい。明日からのトレーニングを楽しみにしているよ。」と経験に裏打ちされた言葉を返す。今年最後のデュソー氏滞在は11月30日まで。あまり時間がないが、一秒たりとも時間を無駄にせず学ばないといけない。0903-01.jpg0903-02.jpg

第14回東北クラブユースU-15新人サッカー選手権 第7回福島県大会

Aブロック 1戦目
VS 白河FC
前半 2-0
後半 1-1

合計 3-1 勝利

0903-03.jpg この大会は育成時期の中学生に試合の機会を増やすために設けられている。アカデミーは各大会に勝利するためではなく、「1人でも多くの選手をプロにする」ことが目的なので、トレーニングの一環として参加する。確認作業もするし、普段のトレーニング同様テーマも盛り込む。広野グラウンドでいつもやっていることを場所を変えて行うだけである。

 A~Cブロックのうち、A、Bブロックの12チームが郡山市十六沼公園グラウンドに集まった。山がすぐ近くにある景色は素晴らしくまるで子ども達を見守るようであった。人工芝のグラウンドは天然芝に比べれば体への負担は多少あるが、基礎技術を完成させるこの年代の選手達にとってはイレギュラーが少ないピッチはプラスになるだろう。

 アカデミーとしては初めての国内公式戦(7月の中国遠征も公式戦)であり、14歳を対象にした大会なので対戦相手は1歳年上である。選手達は緊張する様子はなくいつも通りトレーニングで行ったことを表現しようとしていた。この日は給水タイムが実施されるほど暑かったが、選手達は立ち上がりからグラウンドを広く使ってプレーし左右からのサイド攻撃で3得点した。パスもコントロールも動きながら行うこと、ボールによることやマークをはずす動きも出ていた。また、3人目4人目の動き出しにより体格差のある相手選手に優勢にゲームを進めることができた。ただ、相手のゴール付近でのアイデア(スペースを作る・使う)とボール保持者が選択肢を多く持つことができればさらに決定機を増やすことができた。慌ててしまい状況を把握できていない中でプレーして、なんとなくボールを失ったり可能性の低いシュートで終わったりしてしまうことが多かった。終盤は足が止まってしまいスピードの変化もなくなったためボールの動きも悪かった。ゲームの流れが悪くなる時は当然あるが、運動量とスピードの変化を持続する必要があった。また、後ろの選手も積極的に攻撃に関わるなかで、オーバーラップしたスペースをケアするリスク管理ができずにピンチを招くシーンがあった。守備では、ボールに近い人からプレッシャーにいき近くにいる次の人(GKを含むセカンドDF)が予測を立ててボールを奪いにいくことはできていた。しかし、相手が良い状態でボールを保持している時に簡単に飛び込んでかわされてしまう部分は修正していかなければならない。

GKコーチ 須永 純
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