JFAアカデミー福島

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2006年06月29日

第2回マナー研修 「普段の食事のマナー」について」

 本日はトレーニング後の18時から、JFAプログラムの1つであるマナー研修の第2回講習会がアカデミー男子寮にて行われた。
 今回のテーマは「普段の食事のマナー」についてである。
 4月の入寮直後から、選手の食事のマナーにはスタッフ一同が頭を痛めてきた問題である。具体的な例としては、箸を使えない者、食べる姿勢が悪い者(肘を付いて食べる、お茶碗を持たずに食べる犬食い等)など、多くの選手が再三注意を受けてきた。
 そのような中で行われた講習会であったので、スタッフ一同も大きな期待を寄せていた。
 講習会では、箸の正しい使い方を一から教授していただき、箸を使って大豆を皿から皿に移す実技講習等が行われた。
 今までの自分の箸の使い方とは大きく異なる選手からは、感嘆や悲鳴にも近い声が上がり、真剣な中にも和やかで楽しい雰囲気に包まれた講習会であった。
 今後も、月1回のペースで様々なマナーについての講義が予定されている。選手だけでなく、スタッフも非常に興味のある内容が盛り沢山である。

 以下に、今回の講習会で学んだ知識をいくつか紹介していきたい。
 普段の生活で当たり前のように行ってきた食事のマナーにも新たな発見があった。

Q、なぜ「頂きます」「ご馳走様」の挨拶をするのか?
A、食事を作ってくれた方への感謝の意を表すものであり、お米を栽培した農家の人への感謝を言葉で表すためである。
更には、我々の食事の材料となり命を落とした動物・植物にたいして「命を頂きます」という感謝の意を表すためである。

Q、なぜ、お茶碗(ご飯)は左側に置くのか?
A、日本には、古来より左上位(格上)という考えがある。
日本は米を主食とする国であり、とても米は貴重で重要な物として捉えられてきた。
そのため、格上のお米を左側・汁物を右側に置くとされている。

 
                         選手管理  林 晋太郎

マナー1.png箸の正しい使い方を教わる選手達
マナー2.png大豆を使って、箸の実技講習の様子

2006年06月28日

デュソー氏一時帰国、プチ送別会

 6月30日をもって、JFAアカデミーのテクニカルアドバイザーを務めているデュソー氏がフランスに一時帰国をされる。
 4月から毎日生活を共にし、トレーニング指導をしていただいた我々としては、一時帰国とは分かりつつも非常に寂しい気持ちになっていた。
 本日のトレーニング、最後には「第1回デュソー杯」が開催されスタッフもメンバーに加わりフルコートでのゲームが行われた。お互いに負けたくない気持ちを前面に出した好ゲームは、デュソーレフェリーの絶妙なゲームコントロールのお陰もあり、3-1でビブスチームの勝利に終わった。尚、この記念すべき第1回デュソー杯のMVPに輝いたのは、1得点1アシストを記録した藤本トレーナーであった。
 夜は、アカデミーの食堂にて食事会を兼ねた送別会が催された。杉山舎監、大里栄養士の心のこもった料理に、デュソーご夫妻も食事を楽しんでいただいた様子であった。そして最後には、デザートのスイカをデュソー氏が日本の夏の風物詩「スイカ割り」に挑戦し、見事に真っ二つに割ってのけた。
 送別会の最後には、アカデミー選手の一人が代表してこの3ヶ月間の御礼を述べた。デュソー氏が再び日本に来る9月までの3ヶ月間、更なる飛躍を力強く誓っていた。
 彼等に立ち止まっている時間は無い。
        文:選手管理 林 晋太郎
b060628.png第1回デュソー杯MVP 藤本トレーナー

2006年06月23日

お菓子の食べ方

 22時半消灯なのに、22時開始の試合に合わせてテレビの前でポテトチップスをボリボリ貪る子供達。果たして体に良いのだろうか?お菓子の役割は、「食事の補い」と「疲労回復」にある。この年代は育ち盛りで栄養が不足しがち。アカデミーは練習量も考えて捕食を用意している。疲労回復には甘いものが有効である。糖質は脂肪に比較して燃焼が速く、速攻的エネルギー源として有効なので疲労回復に最も敵している。運動で一番最初に燃焼されるのが糖質。スポーツ選手で最も注意が必要なものが脂質で、お菓子ではポテトチップスの中に最も多く含まれている(可食部100gあたり35.2gである。ちなみに、和菓子は3gに満たない)。食べすぎは栄養のバランスを崩す。特に寝る前の摂取は消化不良を起こし、パフォーマンスにも悪影響を与える。お菓子は適量に、睡眠の2時間前には食べるのを止めることを心がけたい。

2006年06月22日

ブラジル戦

 何人かの子ども達は朝4時に起きてきた。これは自分たちでオーガナイズしたものである。学校で居眠りをしない自信があるならブラジル戦を見ても良い、という約束だけ。前半に先制した時は選手もスタッフも日本が決勝トーナメントに行く可能性を感じた。しかし、世界ナンバーワンのチームと日本の差は歴然としていた。技術はいわずもがな。経験。サッカー人口、等々。サッカーでは何が起こるかわからない、とは誰しもが言う。だが長い歴史を見た時に「ブラジルが冬の時代を迎えた」とは誰も言わない。

2006年06月21日

ジェフ千葉スタッフ訪問

 本日はジェフ千葉から育成部のスタッフが来て、トレーニングを見学し翌朝にデュソー氏とディスカッションを行った。選手育成についてのトレーニング・アカデミーのこと・指導のコンセプト・学校とクラブの問題、日本サッカーの課題である決定機の改善などを話した。育成年代での一貫指導により目先の勝利にとらわれず、個人の選手育成を大切にしているチームであると感じられた。より良い選手を育てるために育成にかける情熱と日本サッカーを少しでもよくしたいという想いで話は盛り上がりとても有意義なものだった。
 ディスカッションにもあったが、ゆくゆくは日本各地にアカデミーができることを願っている。日本サッカーが掲げる目標を実現させるためにも、このアカデミーも地域やクラブチーム、学校・リーグなどすべてのものとコラボレイトしていかなければならない。
 ジェフ千葉の育成部スタッフの向上心に敬意を払うとともに、我々スタッフも選手同様で日々向上し続けなければいけないということを再認識した。

                                     GKコーチ   須永 純

2006年06月20日

ディフェンスの押し上げ

 ベガルタ仙台戦と先日のFC東京戦の反省を踏まえて、トレーニングの最後のゲームはディフェンスの押し上げをテーマに行った。アカデミーはボールキープをしながら人とボールが広く素早く動き、攻撃にリズムの変化を付けてシュートまで行く展開を理想としている。
 ところが、これまでの試合ではボールをキープし始める位置が低すぎて、相手に高い位置からのプレッシャーをかけさせてしまっていた。GKが持ったら、できるだけ近くに寄り、低い位置からパスを始めてしまうのだ。パスの距離を縮めるために中盤とフォワードは引かざるを得ず、チーム全体のポジションが自ずから自陣深くに位置してしまう。
 今日のゲームでは、GKが持った瞬間には全員がある程度高い位置まで押し上げ、その後一人だけ下がってもらいに来るイメージを持たせた。展開中にパスを出して足が止まっている選手もリスタートではリスクなく押し上げることができるので、まずは高い位置からプレーが始まるのだという意識付けができた。しかし、これは今回がはじめての試みなのでこれからも続けていかなければならない。

2006年06月18日

対 FC東京

まずは、結果から。
1本目(30分):0-0
2本目(30分):0-3でFC東京勝利
3本目(30分):0-1でFC東京勝利

1本目。
ボールをキープしてリズムを創り出そうとするアカデミーに対して、開始からFC東京がアグレッシヴに前からボールを奪いに来る。その勢いに押されてボールを回すゾーンがずるずる下がった。中盤とDFラインの距離が開きすぎてFC東京がフリーでプレーする。初めて経験する組織的なプレスにアカデミーはボールを失う回数が増え始める。FC東京が決定的チャンス(フリーでシュート)を何度も創り出す。完璧に実力の差を見せつけられた。

2本目。
1本目の流れは止まらない。アカデミーは何とか攻め込もうとするが、DFがパスを出した後、足を止めてしまうこと、中盤とFWとの距離が近すぎることで、前線がボールを失うと急激にピンチに陥る。1失点目は相手の激しいプレスにもかかわらず、簡単にプレーしようとしなかったことでボールを奪われそのままドリブルでシュートまで行かれた。2失点目はDFラインの裏のスペースにボールが出て、GKが前に出るタイミングを計り間違えた。3失点目もGKのスローインが相手にカットされそのまま爆発的なドリブルでアカデミーDF陣が切り裂かれた。3失点目以降、アカデミーは落ち着きを取り戻し、パス回しをしながら前へ攻める意識を押し出し、全体もコンパクトに保つことができ、チャンスを2,3度創り出した。ただし、FC東京の素晴らしいディフェンスで決定的チャンスとまではいかなかった。

3本目。
開始からまた1本目と同じ状況に戻ってしまった。勢いに押され、さらに裏のスペースへ走りこまれるのが怖くてDFラインを押し上げることができない。中盤はドリブルを繰り返し簡単にボールを失う。中盤のバランスが修正できない。やはりFWとの距離を縮めすぎてしまう。DFラインの前に大きなスペースがあるため、FC東京が自由にボールをさばくことができる。4失点目は簡単にスルーパスを出され、GKと1対1。

FC東京は本当に強い。ほぼ全員が高いテクニックを持ち、シンプルにプレーする。ボールを持っていないときは必ず前から前からプレスに来てボールを奪いに来る。ロングパスを多用せず細かいパス回し、フリーランニングの質、量。ボールと人が本当によく動く。我々アカデミーは良いお手本を見させてもらった。

FC東京の皆さん、東京からわざわざお越しいただき、まことにありがとうございました。
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2006年06月17日

6月生まれ誕生日会

 6月生まれは池村彰太と私、樋渡群の2人である。子ども達はトレーニングでお腹がすきすぎて、目の前のご馳走に一目散。みなでわいわい言いながらビュッフェをするのは実に楽しい。食事はコミュニケーションが含まれて初めておいしくなる。普段は大騒ぎして食べられないから、パーティーの場合は大いに楽しんでもらいたい。b060617-01.jpg

2006年06月16日

土砂降りのラグビー

 洪水警報が出て、アカデミー生が植えた田んぼの水が溢れるほどの大雨だったが、広野グラウンドは驚くほど水はけがよくトレーニングを行った。8対8のラグビー。前にパスを出したらオフサイド。タッチされてから3秒以内にパスをしなければ相手ボール。この目的はスピードトレーニング。いろいろな局面でスピードアップをしなければならない。その他は、サポートの位置と動き。一人ではなかなか攻めにくい。つまりボール保持者からある程度の距離に後ろに位置したサポートの存在(前線で残っていてはボールが受けられない)が必要となる。相手のプレッシャーを交わすためサイドチェンジは欠かせない。手でパスをするからサイドチェンジが成功しやすく、動きを伴ったサッカーにおけるイメージトレーニングにもなる。

2006年06月15日

管理栄養士の大里亜由美より 食事について

基本コンセプト
 日々のトレーニングを行なうための十分なエネルギーと各種栄養素を補給することを目標に、食品と栄養素のバランスが摂れるよう、食事は、主食・主菜・副菜・乳製品・果物がそろうような構成となっています。

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朝食
ご飯・味噌汁・昆布佃煮
目玉焼き・アスパラガスとベーコンのソテー
野菜サラダ・グレープフルーツ
牛乳
エネルギー:913kcal タンパク質:29.1g
夕食
かやくご飯・わかめとしめじの清汁
魚の竜田揚げ・キャベツの千切り・レモン
大根金平・すいか
牛乳
エネルギー:1136kcal タンパク質:46.0g

 日々の食事は1日約3200kcalのエネルギー摂取を目標に、昼の学校給食を抜かした分を朝・夕に分けて献立をたてます。ちなみに学校給食は830kcalの目標設定となっているので、その分を差し引いた量を朝食と夕食で摂取します。朝は時間も早く、食欲があまりないので夕食に比べると低いエネルギー設定になっています。夕食はトレーニングから帰ってきて速やかに食事をして3回の食事の中で最も重要です。

トレーニング前には補食でエネルギー補給
 学校から帰ってくると、トレーニングに出かける前に補食を摂ります。空腹感を満たすこととエネルギーの補給が目的です。バナナやオレンジジュースをはじめ、あんぱんや蒸しパン、ゼリー、100%のフルーツジュースなどです。エネルギーやビタミン、ミネラル類の補給がベストですが、時々ホットケーキやクッキーなども登場します。トレーニング前に一息つきながらのおやつタイムは、みんなの楽しみのひとつです。
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食事の楽しみを大切に
 月に1回、夕食でお誕生会を開きます。その月に誕生日を迎える選手に食べたい料理を決めてもらい、ローソクに火を灯したケーキを食卓に並べ、みんなでお祝いします。時に自分達の好きなものを沢山食べたり、他の国の料理や郷土料理を味わってみる献立もあります。食事の楽しみという部分も大切に、食事の時間を過ごしています。

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ワールドカップにちなんで
ドイツ料理を味わってみました
月一回はみんなで仲間の
誕生日をお祝いします

食事のマナーについて
 箸の持ち方や食事の食べ方など、スタッフと一緒に食事を共にすることでマナーを身につけることも、大切なことです。食器はほとんど陶器を使用しています。乱暴に扱って割ることがないよう、物を大切に扱うことにも注意します。 「もうちょっと姿勢よく食べなさい」「こぼしてるでしょ」「肘はつかないのよ」と家庭の食卓で交わされていたやりとりは、スタッフが親代わりとなって、彼らの周りで声かけをしています。



食事から考えること
 食事は残さず食べることが基本です。栄養を十分に補うことはもちろん大切ですが、食事をする意味をいろいろな面から考えて食事をします。食べ物を粗末にしないこと、作ってくれた人に対しての感謝の気持ちを忘れないこと、合宿や遠征先の食事の環境が合わなくても好き嫌いなく、普段から訓練して何でも食べられるようになること。単にごはんを食べるということだけではないという気持ちを持ってもらいたいと思います。

2006年06月14日

広野火力発電所見学

 マリーゼの五十嵐選手と増田選手が案内してくれた。大ホールで発電所の歴史や発電の仕組みの説明を受けた後、発電所の構内をバスで回った。ちょうど一隻の巨大タンカーが船体を傾けながら石油をタンクに注入している所だった。船の周りには万一のために防油ロープが敷かれていた。広野火力発電所では石油、石炭、天然ガスを燃やして発電している。現在、関東地方で使用されている電気の約4分の1が福島県で発電されている。b060614-01.jpgb060614-02.jpg

2006年06月13日

FC東京激励

 Jヴィレッジで合宿を張るFC東京のガーロ監督、霜田、本吉コーチ、石川、小澤両選手の5人が広野グランドを訪問してくれた。サッカーを楽しむことを忘れず、恵まれた環境に感謝し、プロになる夢を持ち続け、コーチの話をよく聞くことを子ども達に語ってくれた。選手の目がきらきら輝き、夢を膨らませることができたようだ。FC東京の皆さん、わざわざ練習に足を運んでいただき、ありがとうございました。ご活躍を祈っています。

2006年06月12日

日本 対 オーストラリア

 いつもは10時半就寝であるが、この夜だけは特別である。見学もし、会話もし、ボールも蹴りあった憧れの選手達が戦う。宿題が終わらないと見られないこともあって、いつもより集中する度合いが異なる。先制点を入れた時は歓喜に湧いた。カウンターアタックで何度も決定機を創り出し、勝利への確信が強まっていった。しかし、残り9分の逆転劇にアカデミー生徒はワールドカップの厳しさを思い知らされる。歓喜と悲劇のドラマをテレビ観戦レベルで経験した。

2006年06月08日

来月始動サポートファミリー

 トレーニング後、アカデミーサポートファミリー(ホームステイ家族)と選手が来月から始まる「受け入れ」に関する確認を行った。まずは、サポートファミリーのみなさんから自己紹介があった。家族構成や職業などを冗談交りで話してくれた。子ども達も明るい笑いが絶えず、興味を示していた。7月8日、9日は全選手がお世話になる。b060803.jpgb060804.jpg

ムッシュー・デュソー氏のフランス語講座

 マダムがフランス語の基礎を教え、時にデュソー氏が授業の様子を見に来てサッカー用語を教えてくれる。サッカーの表現方法は国や文化により異なる。「soccer」が既にして英国の影響を受けた単語で、「団体でやる球技」が語源である。フランスでは「football」といい、読んで字のごとく「足で行う球技」を意味する。同じモノを表現するにしてもイメージする方法が異なる。このことは語学を学ぶ上で非常に重要である。イメージする方法は、つまり、文化や習慣に従った生活から創出されるもの。単語に含まれる歴史的背景を探って初めて意味がわかる。b060801.jpgb060802.jpg

2006年06月07日

コメディアン

b060701.jpg吉本興業で活躍するロザンという漫才コンビがアカデミーにやってきた。コメディアンは人々を笑わせることで生業を立てていく。「笑い」は世の中に幸せをもたらす重要な人間のアクションである。彼らは、人間の不条理、不合理、愚かさ、ばかげた言動、醜さ、卑劣さを表現し、笑いをとる。なぜそれらが笑いを誘うかというと、観衆が常識と思っている事実と舞台で繰り広げられるアクションに「ずれ」が生じることが一つ、また緊張から解き放たれたことによる安心などの理由があげられる。つまり、コメディアンはこの2つを駆使して観客の感情をコントロールする。アカデミーの子ども達はロザンの術中にはまっていた。

2006年06月06日

CANAL+(キャナル プリュス)

b060606.png デュソー氏を3年間カメラで撮り続けたスタッフがアカデミーに来た。INFでコーチ兼校長をやっていたデュソー氏にスポットを当てて、INFの哲学や選手を紹介したドキュメンタリーをつくった。クレールフォンテーヌにあるINFには毎年約1500人の受験生から24人程度に絞られて入学してくる。これまでの統計によると、このうち5,6人(約4分の1)がプロ選手になる。INFの選手はインタビューで「ここに入ることが夢だった。偉大な選手になるにはここに入る必要がある」と語っている。INF出身のフランス代表選手がやってきて、子どもが歓喜し、夢を具体的に描くことができる。INFの場合は1年やって、生活面で向上が見られない子(主に他人に迷惑をかけてしまう選手)には退学が命じられる。実際の映像では、退学を命じられた側と次の年も続けてINFでプレーできることを確信できた側のコントラストがリアルに伝わってきて、現実の厳しさを思い知らされる。さて、日本でとらえられた映像の中に果たして何人のプロ選手が見られるだろうか。

2006年06月05日

オフに選手とミニゲーム

 先週は本当に子ども達にはハードだった。エリート戦、ベガルタ戦と厳しい戦いの連続で心身共に疲労している。オフを有効に利用して思いっきりリフレッシュしてもらいたい。ある選手がサッカーボールを手に雨天場へ向かおうとしている。オフだから、誰にも何も言われず自分の好きなことをしたいのだろう。我々もストリートサッカーの重要性は深く理解しているから、思わず着替えて仲間に入れてもらった。ここに選手とコーチのラインはない。ボールで自由に動きを表現しあう仲間である。トレーニングでは見られない喜怒哀楽を子ども達は表現した。勝って抱き合い、負けて膝から崩れ落ちた。

2006年06月04日

対 ベガルタ仙台

 グラウンドにポジションを取り開始の笛を待つ選手たちに向かってデュソー氏が左手で大きく押し上げる合図を送る。つまりディフェンスに位置を高く保ち、中盤との距離を短くすることを意図している。この合図が今回は試合の象徴となった。25分を3本。

 1本目。昨日の試合もあり疲労が溜まっていること、相手のプレッシャーが早いことが重なり開始1分以内にディフェンスのミスからシュートを2本うたれる。ずるずるとディフェンスラインが下がり、デュソー氏がたまらずベンチから立ち上がる。「上がれ!」ベガルタ仙台は積極的にボールを奪いに来て、細かいパスをつなぎ、前線が縦横無尽に動き何度もシュートを放つ。アカデミーがやろうとしていることを目の前で見せられている。19分に初めて中盤とフォワードでシンプルなパスつなぎをし、1点を取る。1-0で勝利。

 2本目。デュソー氏の「上がれ!」が止まらない。声も大きくなる。ディフェンスが下がってしまうことにより相手にシュートやパスを自由にされてしまう。ずるずる下がる傾向はコーチングによってもまだ修正できなかった。ディフェンスのクリアミスとコーナーキックから2失点。アカデミーはまだまだシンプルなパスつなぎ、マークを外す動きが不十分だがクオリティーの高いミドルシュートと前線での細かいパスつなぎで2点を取る。2-2の引き分け。

3本目。開始7分、相手GKのロングキックからボールがハーフラインを超える。アカデミーディフェンス陣はカバーリングのポジションを一人も取らず、簡単に相手フォワードがスピードに乗ってGKと1対1になり、失点。この失点直後からアカデミーの特徴ともなってきた持久力が相手の前へ行くエネルギーを奪う。前線から押し寄せる波のようにプレッシャーに行き、マイボールにしてからシンプルにつなぐ。ボールスピードも速い。5点を立て続けに奪う。中盤が容易にボールを失い、ディフェンスもカバーリングの準備ができておらず、2失点目を浴びるが、最後に個人の突破から6得点目を奪う。6-2で勝利。

 試合の内容、13歳で習得する技術を評価すると、ベガルタに軍配が上がるだろう。ボールが無いところで3,4人が素早いアクションを起こして、リズムに緩急をつけてシンプルにパスを回しシュートまで行く。ディフェンスが下がりすぎるきらいがあったが、粘り強くあきらめない。非常に良い育成が行われている。ベガルタ仙台のゲーム展開で我々がかなり苦しめられたことを選手は強烈に意識しなければならない。

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2006年06月02日

選手管理

 アカデミーの生活が始まり2ヶ月が経過した。
 ピッチの上では、大人顔負けのプレー・闘争心を見せてボールに食らい付く選手達も、寮に帰ればまだまだ幼さの残る少年である。
 中学1年生というよりは、小学校7年生と言ったところだろうか。
 彼らと生活を共にしながら指導をしていく中で心掛けている点をいくつか挙げていきたい。

 1つ目として、「自分で考えて行動できる人間」を育成する。
 彼らは常に考え、判断することを求められている。それはピッチ上でも、普段の生活の中でも、である。自らが考え、導き出した答えは必ずその選手の力となる。サッカーとは、ピッチ上では「自分の判断」のみが唯一無二の武器である。
 寮内でも、指示を待っている姿勢は許されない。朝の掃除、グランドでの後片付け時など、常に行動が求められている。
 周囲の状況を観て自ら判断し、実行に移す行動力を普段の生活の中からも養ってもらいたい。
 オン・ザ・ピッチとオフ・ザ・ピッチはリンクしている。

 2つ目は、「権利」と「義務」。
 これは日々のミーティングの中でも選手には常々話をしてきている。アカデミーの校訓「自由」と「責任」という言葉にも置き換えられる。
 選手達には非常に多くの「自由」が与えられている。寮内の規則もそのほとんどを選手達自身に考えさせ決めさせた。コーチ陣からの押し付けではなく、規則を決める権利を与えたことで、守るという義務・責任を負わなくてはならない。しかし、まだまだ選手達は「権利」を主張するばかりである。

 3つ目に、「練習は嘘をつかない」。
 私が高校生時代に恩師に教わった言葉である。
 技術の習得に近道はない。それはピッチでも、勉強でも同じこと。真剣に取り組んだ5本のインサイドパスは必ずその選手自身のものになる。単語一つ、漢字一つ、数学一問、取り組んだ分だけ力になる。上達に飛び級はありえない。一段一段強くて大きな土台造りをして行こう。
 「練習は嘘をつかない」

 選手管理という役職。
 これが正解という指導方法は私自身が模索中であるし、そもそも正解というものは存在しないのかも知れない。今の私には、常に全力で選手と向き合うことしかできない。持っているのは「情熱」のみ。時には声を荒げて叱ることもある。しかし、叱った後には「今はその怒り方で良かったのか?」と自問自答する毎日である。
 
 起床から就寝まで、一日のほとんどを彼らと過ごす毎日。
 こちらの都合などお構い無しにまた今日も廊下の向こうから呼ぶ声が聞こえる。
 「林さ~ん!!!」
 疲労感の中にも、ほくそ笑んでいる私がいる。

               選手管理 林 晋太郎

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