布啓一郎技術副委員長
一つ一つ丁寧に言葉を紡ぎだす。元市立船橋サッカー部監督の布啓一郎氏である。アカデミーの子どもたちを前にしてプロ選手になるための心構えを話す。「いくら、テクニックがあったって、向上心がない者はプロになっていない」多くのプロ選手を輩出して、選手の傾向も熟知している布氏ゆえの発言である。U-16日本代表監督時代、フランスのモンテギュー国際大会で日本は初優勝を飾り、世界の度肝を抜いた。日本人が世界で通用することを証明した。その結果に満足することなく、さらに質の高い技術を身につけるため中学生年代の指導カリキュラムも検討している。最後に布氏はこう締めくくった。「みんなは将来上手くなりたいと思っているよな。でも、将来ではだめだ。今、上手くなりたいと思え。その気持ちを持って毎日一歩一歩進んでいくことが上手くなる秘訣だよ」






広野中学校を代表しての参加であるが、同時にアカデミー生の一人でもある。陸上選手として育てているわけではないので結果はどうなるかわからない。しかし日頃のトレーニングでボールを使用しつつ持久力トレーニングも行っているので心肺機能は日々向上しているはずである。アカデミーのメソッドがどの程度の効果を生み出しているか知るには良い機会かもしれない。大会で記録されたデータは今後VMAと共に貴重な資料となるであろう。


あぜ道から田んぼをじっくり眺めるとゲンゴロウが所狭しと水中を泳いでいる。子ども達の一歩目は奇声と共に踏み出された。泥の感触はほとんどの者が初めてだった。カエルが子ども達をあざ笑うかのように鳴いている。デュソー夫妻も子ども達に続けと苗を植え始める。田んぼに時折フランス語が飛び交う。あちこちで笑い声が聞こえる。誰かに押されて泥まみれになる選手とスタッフ。転んでも思わず笑いが込み上げる。あっという間に苗が敷き詰められた。アカデミーの子ども達のために田んぼやお昼ごはんを用意してくれたのは、猪狩新一郎氏をはじめとする、広野町民のみなさん。苗を育て、田んぼに水を張り、線を引く。地の野菜や塩を使った料理が机いっぱいに並ぶ。温かいもてなしに子ども達は素直に感情を表現する。静寂からはほど遠い賑やかな食事になった。


















